膝の痛みと聞いて思い浮かぶのは何でしょうか。スポーツによる膝の酷使や加齢とともに膝に痛みが出てくるというのはよく聞く話ですね。加齢による膝の痛みはよく取り沙汰されることからも、どうしようもないものだと思い込んでしまう方も多いと聞きます。
よく聞く話だからある程度は仕方のないことだと諦めてはいませんか? よほどの痛みが伴わない限り、誰にでもあることだと我慢しすぎてはいませんか? その膝の痛み、放っておくと大変なことになるかもしれません。
歩いたり走ったりするだけでなく、少し体をずらしたり寝た状態から体を起こしたりするだけで痛みが走る。膝の関節を痛めてみると分かる通り、普段意識せずに行っている日常の動作には必ずと言っていいほど膝という関節の動きが関わっています。
軽い膝の痛みでも、重病を発症する前兆だということもあります。以下では膝の痛みの原因として考えられる7つの病気についてご説明していきます。
初期段階で治療を開始することが、あなたの日常を守ることにもつながりますので、若干膝が痛むという方は特にしっかり目を通しておいてくださいね。
膝の痛みの原因は?
症状から疑われる7つの病気
膝蓋骨骨折
俗に言う、膝のお皿が割れた状態です。派手に転倒して膝をしこたま打ち付けたときに膝骸骨を骨折してしまったケースですね。明らかに外傷があるので骨折したことにはすぐに気づくと思います。
想像しただけで痛いくらいなので、放置するという方はいないでしょうが念のためすぐに病院へ行くように忠告しておきます。膝骸骨を骨折したまま日常生活に戻れるという方はよほど痛みに強いのでしょう。
その忍耐力はもっと他に使いどころがあるはずですので、素直に治療してもらいましょう。
関節水腫
膝の中に水が入ってしまっているような状態です。触るとぷにぷにしています。膝に限らず、水が溜まってしまった時にこういう状態になりますね。このぷよぷよと弾力のある液体は、関節内にある関節液です。
膝の骨や軟骨が剥がれて刺激を与えたことで関節液が異常に増えてしまった状態です。ぷにぷにと可愛らしい擬音語を使いましたが、実際は膝の中に異物感があったり、だるさや痛みが出てきたりする全然可愛らしくない病気です。早めに液を抜いてもらいましょう。
液ではなく血が溜まるケースもあります。そう考えると怖いですね。関節の水腫にはいくつも種類があります。安易に自分で水を抜こうとして悪化してしまうと大変なことになるので、専門医に任せるようにしましょう。
半月板損傷
関節水腫の中で、血が溜まっている状態の一つです。膝の組織である半月板が、スポーツや事故などが原因で大きな負荷がかかることで起こるものです。半月板が断裂していたり欠けたりした状態を指します。
半月板を損傷すると、痛みが出る以外にも膝の曲げ伸ばしが出来ない状態、通称ロッキング状態になったり膝に力が入らなくなったり腫れたりと、様々な症状が出てきます。
膝に負担が着々と蓄積されていった結果、この状態になってしまうことが多く、スポーツで膝を酷使することなどが原因であることがほとんどです。
高齢の方よりは比較的若い人がなりやすいですね。かといって高齢の方がならないというわけではないので、どの年代の方にも注意が必要です。
靭帯損傷
こちらも血が溜まっている状態のものです。半月板ではなく靭帯が断裂していたり欠けたりしてしまってこの状態になります。スポーツで膝を酷使したり突発性の事故などで起こり得る損傷なので、十分に注意したいですね。
靭帯は関節を保護し、その運動を制御する重要な役割を担っています。そんな靭帯が損傷してしまうと、痛いだけでなく立って歩くことも難しくなってしまいます。損傷した瞬間に膝から崩れ落ちることもあります。
我慢してなんとかなる類の症状ではないので、速やかに専門医の診察を受けましょう。
離断性骨軟骨炎
りだんせいこつなんこつしょうと読みます。耳慣れない単語ですね。安静にしていればほとんど痛みはないのですが、膝の関節を動かすと激痛が走ります。成長期の男子に多いので、親御さんもただの成長期の関節痛だと思われるかもしれませんね。
当人にとっては抗いがたい激痛だったりするので、簡単に我慢しなさいだなんて言わないであげてくださいね。軟骨炎という単語から想像できるように、軟骨の異常が引き起こしている痛みです。
軟骨が壊死して剥がれ落ちている状態なので、簡単に異常というと生ぬるいかもしれません。成長期の男子が発症した場合、部活で頑張りすぎたことが原因であることが多いです。
部活が原因であれば周りと差がつくことを恐れるあまり、治らない内から無茶をしてしまうこともあるでしょう。しっかり休息をとらせましょう。
変形性膝関節症
こちらは膝の痛みとして最もポピュラーなものです。中高年の方々が膝が痛い関節が痛いと口にする場合、だいたい変形性膝関節症になっていると思っていいでしょう。先程まで述べていたように、膝を酷使して起こるものではありません。
膝の関節としての機能が加齢によって消耗しているのです。年を重ねたことで自然に痛みが出てきてしまっているところが大きいので、かからないように注意しようにも限度があります。我慢できないほどの痛みではないけれど、膝の関節を動かす度に痛むのはつらいですよね。
膝が軋むような感覚は、慣れることはできてもあえて味わいたいものでもないでしょう。一概にこうすればいいとは言えないので、痛みがひどく我慢できなくなりそうなときは早めに主治医の方に相談しましょう。
関節リウマチ
こちらも中高年の方はよく耳にするのではないでしょうか。関節リウマチのつらいところは、膝の関節を動かしていなくても痛みを感じるところですね。
関節を動かすことによって痛みが出るのであればまだある程度覚悟はできますが、慢性的に痛みが続くのはとてもつらいですよね。関節リウマチは30代から50代の方に多く、男性よりも女性の罹患率が高いことも有名です。
関節が炎症を起こしている状態で、膝だけでなく全身の関節に広がります。罹患率が多いにもかかわらず、体内の免疫システムの異常ということ以外にはっきりとした原因はわかっていません。
いかがでしたか。
上記で述べた疾患以外にも、膝の痛みの原因となっている病気には様々な種類があります。若い方が発症しやすいものから中高年の方によく見られる膝の痛みまで、ここでは7つの病気について言及しました。
膝はあなたの体の動きを支えてくれる重要な部分をつかさどっています。それだけに、膝に痛みが出てしまうと、何をするにも痛みと隣り合わせの生活を送る羽目になってしまいます。そうならないよう、違和感を覚えたらすぐに対応できるようにしておきたいですね。
まとめ
膝の痛みの原因は?症状から疑われる7つの病気
・膝蓋骨骨折
・関節水腫
・半月板損傷
・靭帯損傷
・離断性骨軟骨炎
・変形性膝関節症
・関節リウマチ