骨盤につながる恥骨を骨折すると、座ったりまたがったりする動作に不自由が出ますよね。恥骨を骨折した時には、「トイレに行くのも一苦労!」という声もあります。
恥骨を骨折すると、立ったり座ったりの普通の姿勢をとることも困難になるため、骨折した時の不自由さをとても感じる大切な骨と言えるでしょう。恥骨骨折は治りかけの時期でも、車の運転の際のアクセルやブレーキペダルを踏む動作だけで痛むこともあるくらいです。
普段の生活ではほとんど意識することのない恥骨ですが、今日は骨折した時の不自由さや治療法に加え、完治するまでにかかる期間についてお伝えします。恥骨を骨折して完治までの期間に疑問を感じている方、不自由を感じている方は是非参考にしてください。ではご覧ください。
恥骨の位置
さて、普段あまり口にすることのない「恥骨」とは、私たちの体の一体どこに位置するものなのかご存知でしょうか。恥骨は、骨盤から腹部へ向かってつながっている骨です。股の部分を支える骨であるため、恥骨を損傷すると歩くたびに痛むこともあります。
恥骨自体は小さな骨と言えますが、痩せている人などは腹部に向かって恥骨が突出しているため、転んだ拍子に恥骨を骨折することもあるようです。特に、高齢者で骨粗しょう症などの病気を抱えている人は恥骨骨折に注意しましょう。
恥骨骨折した時の痛み方
恥骨は小さな骨なのにも関わらず、骨折した時の痛みは相当激しいものになります。股間部分は体の中心に位置するため、寝ていても寝返りを打つ時も、歩くときも座るときも立つ時も恥骨を動かすことになるため、それらの動作の度に痛みが出るでしょう。
骨折をしたときは安静にすることが大切ですが、安静に寝ていてもちょっと寝返りを打ったら痛むのだから大変です。恥骨を骨折した場合、骨折が軽ければ固定をせずに薬だけで治療を行いますが、固定しない骨折部位がこすれると痛みを感じます。
恥骨骨折の治療法
恥骨はトイレなどに行くときに露出する部位にあるため、手足の骨折のようにギブスなどでの固定はできません。軽い骨折の場合は「安静」にすることが第一の治療法です。痛みは消炎鎮静剤などで抑えることになるでしょう。
筋力が低下しないように、安静にしているときでもゆっくりと座ったり立ったりする動作の練習は怠らないようにします。骨折による損傷が激しい場合はギブスではなく外科手術で、骨と骨を接合させるネジを打ち込む場合があります。
術後の経過にもよりますが、固定しない場合に比べて痛みは抑えられます。
恥骨骨折に使用される薬
恥骨を骨折した場合、患部の炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬と、痛み止めが使われるでしょう。代替はこの二つの薬が使用され、後は安静が第一です。
家で寝る時などに痛みがあっても、病院で処方された薬以外のものを服用することはやめてください。この場合は冷やすなどの一時的な対処をして過ごし、朝になったら病院に行くといいでしょう。
リハビリセンターへの入院
恥骨を骨折した場合は、トイレや座る動作にある程度不自由がなくなるまでは入院が必要になるでしょう。入院期間は個人差がありますが、骨折具合がひどい場合はさらにリハビリセンターへの入院が必要になります。
リハビリセンターでは、「立つ」「座る」などの基本動作を中心に行います。寝ている状態から立ち上がるまでの簡単な動作も、恥骨を骨折してしまうととても困難になります。
恥骨骨折の入院期間
恥骨骨折の入院期間が個人差もありますが、大体は1か月前後と考えてください。しかし、恥骨を骨折する方には高齢者が多く、恥骨の治療だけでは済まない場合もあるため、その時は普通よりも回復に時間がかかるとして、2~3か月の入院をする場合もあります。
治療にかかる時間は医師とよく相談し、家でどの程度の看護ができるかも話してみましょう。通常であれば、ベッドから起き上がることと、トイレが一人でできるようになれば退院となります。
恥骨骨折の完治までの総期間
恥骨を骨折した場合は、たいていは入院になりますが入院期間が短くて3週間ほどです。長い人は3か月ほど入院する場合もあります。しかし退院したからといって「完治」したわけではありません。退院してからも自宅で股関節の痛みとの戦いはまだまだ続くのです。
完全に骨がつながり、痛みもなくなるまでには更に数週間から数か月を見ておくといいでしょう。つまり、恥骨骨折から完治までにかかる期間は、2~6か月ほどと考えられます。年齢や骨折度合いによっても完治までの期間は大きく変わるため、あくまでも参考程度に考えておいてください。
手術をした場合はさらに時間がかかると考えられがちですが、手術自体の傷はネジを入れるだけなので回復にさほど時間はかかりません。手術をした場合でも、完治までの期間は大差ないと考えられます。
さて、恥骨を骨折した場合の症状や治療法、そして完治までにかかる期間についてお伝えしました。恥骨骨折は日常生活に多大な支障をもたらしますが、それだけ体にとって大切な部位なので、しっかりと治療に専念して治しましょう。
また、高齢者の恥骨骨折の場合は家族の手助けが重要になるため、支える側の人間も覚悟が必要です。恥骨骨折にならないために、普段から股関節のストレッチや、カルシウム不足にならない食生活を心がけてください。
まとめ
恥骨骨折の症状・治療法・完治までのポイント
・恥骨の位置
・恥骨骨折した時の痛み方
・恥骨骨折の治療法
・恥骨骨折に使用される薬
・リハビリセンターへの入院
・恥骨骨折の入院期間
・恥骨骨折の完治までの総期間