「雨が降ると膝が痛む…。」「寒くなると膝が痛む。」「朝起きると膝が痛む。」というつらい膝痛にお悩みの方は多いでしょう。また年を重ねると階段の上り下りがつらいという高齢の方も多いですよね。
膝は毎日、重いあなたの体全体を支えるという大切な役割を担っています。それゆえに、蓄積された負担は大きく、一度損傷すると長期間痛みを感じることになるでしょう。
普段意識せずに使っていますが、歩くときも立つ時も、向きを変える時も、膝は重い体を運ぶべく働き続けているのです。
そんな大切な膝の痛みを抱えている方のために、膝痛の原因となる病気について調べてみました。膝の痛み方によって考えられる病気が異なるため、ご自分の症状と照らし合わせてみてください。
膝痛の原因をチェック!
症状と部位でわかる7つの方法
急にひざが痛むとき(関節水腫)
急に膝に激痛が走った経験はありますか?急激な膝痛の原因は、膝に水がたまっている可能性が考えられます。膝の関節周りには、膝の動きを潤滑にするために水分が蓄えられていますが、その水が異常に増えて関節周りに炎症が起きて痛むことがあります。
これを関節水腫と呼びます。膝を触った時にぶよぶよと水がたまっている感じの弾力を感じたり、急な膝痛に驚いたときは、関節水腫を疑うといいでしょう。関節水腫になると、注射などで膝にたまった水を抜き、炎症を抑える治療を施します。
痛風による膝痛
痛風によりひざに痛みが出る場合があります。痛風の膝痛の特徴は、夜中に痛み出したり、激しい痛みに患部の赤みを伴うことです。また、膝と同時に足の親指が激しく痛むこともあります。
痛風になると、歩けないほどの激しい痛みに悩まされますが、2~5日間経つとうそのように痛みがなくなります。
しかし痛風を放置すると、再び激しい痛みが戻ってきて、痛みの原因の炎症がほかの関節にも広がるため、痛風を疑う痛みに悩まされたときは、すぐに受診するようにしましょう。
単純性股関節炎とは?
子どもが風邪などのウイルス感染症にかかったあとに膝の痛みを訴えたときは、単純性股関節炎が疑われます。単純性股関節炎は、主に子どもに発症する症状ですが、まれに大人にもあらわれます。
子どもは体に不具合があってもうまく言葉で伝えられないため、大人がよく注意して観察しましょう。風邪を引いた後に膝痛を訴えたり、歩くときに足を引きずっているなどの様子が見られたら、単純性股関節炎かもしれません。
特に治療をしなくても、安静にしていれば1~2週間で自然治癒します。痛みが激しい場合などは、患部の炎症を抑える抗生物質などを処方してもらうといいでしょう。
膝の半月板が損傷すると…
スポーツや日常生活で、膝を激しく打ったりひねったりして痛み出したときは、膝の内部の半月板という部位が損傷した可能性があります。膝に力が入らなかったり、曲げ伸ばしができなくなったりした場合は、すぐに受診するといいでしょう。
半月板が損傷し、周囲の組織に飛び散ると炎症が起きて痛みが増します。手術を行う場合もありますが、軽症であれば固定して経過をみます。半月板を損傷すると、半月板そのものは再生されないため、回復後にも運動能力に支障が出る可能性があります。
スポーツを長く続けたい方は、医師とよく相談して治療方針を決めましょう。
膝の靭帯を損傷した時
靭帯とは、骨と骨をつなぎ合わせる組織のことです。膝の靭帯は、足の上下の骨をつなぐとても大切な部位です。スポーツや事故などの、主に外的な要因で膝の靭帯を損傷した場合、ぶつけた拍子に「ぶち!」と大きな音がします。
その後に膝がぐらぐらとしたり、かくんとなったりした場合、膝の靭帯が損傷した可能性があります。靭帯が完全に切れてしまった場合は、激しい痛みを伴います。
また、膝には4本の靭帯があるため、どの靭帯を損傷するかによって、その後の運動能力の回復具合も変わってきます。損傷する靭帯によっては、激しいスポーツを長期間控えなくてはなりません。
膝に水がたまる(シャルコー関節)
糖尿病などの、関節障害を引き起こす病気にかかると、膝に水がたまったり腫れあがったりするシャルコー関節が発症する場合があります。
元の病気が末端神経に影響を及ぼすものである場合、膝に異常があっても痛みなどの自覚症状が出ないことがあるのです。そのため、膝の異常に気が付いたときは、膝内部での炎症が広がっているなどの恐ろしいケースもあるため、注意が必要です。
関節障害を引き起こす病気を患っている人は、膝ももちろん、体の各部位の関節に異常がないか、腫れや赤みがないかを普段からよくチェックするようにしましょう。
膝の関節に炎症が起きると!?(化膿性関節炎)
膝の関節部位が腫れて、急激に強い痛みを感じ、悪寒を伴う場合は化膿性関節炎の可能性があります。これは、細菌が膝の関節に入り込んで炎症を起こす症状です。免疫力や抵抗力の低い子どもや高齢者がなりやすい病気です。
特に子どもが膝を急に痛がるようなことがあれば、患部をよくチェックしてすぐに病院へ連れていきましょう。化膿性関節炎が進行してしまうと、患部に膿がたまるなどの症状に発展し、ひどい場合は手術が必要になります。
さて、膝痛の原因として考えられる病気について、症状の違いを交えつつ紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
激痛であっても鈍痛であっても、膝は体を支える要の部位なので、面倒くさがらずに必ず医師に相談するべきでしょう。早期発見と早期治療を目指せば、たいていの病気は少しの辛抱で治ります。
しかし痛みの症状を放置してしまうと、病気が進行して取り返しのつかないことになりかねません。特に、スポーツをしている人は、少しでも膝に違和感があれば、病院に行くことをお勧めします。末永く健康な膝を保ちましょう。
まとめ
膝痛の原因をチェック!症状と部位でわかる7つの方法
・急にひざが痛むとき(関節水腫)
・痛風による膝痛
・単純性股関節炎とは?
・膝の半月板が損傷すると…
・膝の靭帯を損傷した時
・膝に水がたまる(シャルコー関節)
・膝の関節に炎症が起きると!?(化膿性関節炎)