立ちくらみとめまいはどこが違う?症状を見分ける方法

立ちくらみとめまいはどこが違う?症状を見分ける方法

立ちくらみとめまいはよく混同されますが、まったく違うものです。立ちくらみの原因は急激に姿勢を変えたことによって起こる、脳への血流低下です。

人間の体は常に一定の血流になるように調節されているのですが、急激に姿勢が変化すると調節が追いつかず、血流が減って立ちくらみを起こします。一方めまいは何かしらの病気が原因で起こるものです。代表的な病気は貧血ですが、他の病気でも起こり得ます。

しかし、症状は立ちくらみと似ているので、ただの立ちくらみだと思ったらめまいだったという可能性もあります。今回は、立ちくらみとめまいを見分ける基本的な方法を紹介します。基本的には立ちくらみに比べて危険なめまいを見分けることが大切になってきます。

 

立ちくらみとめまいはどこが
違う?症状を見分ける方法

 

顔にしびれがあるか

顔にしびれがある場合、脳が原因でめまいが起こっている可能性があります。他にも物が二重に見えたり、手足にしびれがある場合もめまいの可能性があります。このときの特徴はふわふわとした感じがすることです。

脳には平衡感覚を処理する脳幹という部分があり、ここに異常がある場合、めまいが起こります。正直、あまり問題ない場合も多々あります。ですが、もし本当の病気だった場合、脳梗塞や脳腫瘍など、大きな病気の可能性が高いというのが脳の特徴です。

早めに対処すれば大事にならない可能性もあるので、危険なめまいだった場合は、病院で一度検査を受けることをおすすめします。とくに40代以上の場合は、脳に病気を起こす可能性があがってくるので、検査することが推奨されます。

 

立ちくらみは脳の血流が不十分な状態

立ちくらみとめまいは症状はよく似ています。というより、まったく同じと考えていいです。専門家でなければ正確に区別することはできません。ですが原因はぜんぜん異なってきます。

立ちくらみを辞書的に言うと「脳の血流が不十分な状態」です。脳に血が流れなければ、平衡感覚が正常に働かず立ちくらみを起こすというわけです。

 

立ちくらみの基本は低血圧

小説やマンガで、低血圧の人物は朝が弱いという描写があります。血圧は心臓が血を送り出す強さのようなもので、血圧があれば、脳まで簡単に血液を届けることもできます。しかし、血圧が低いとなかなか血液が脳に届きません。

というのも、重力があるからです。夜に寝ている場合には心臓と脳の位置はほとんど差がないので、脳に血液を届けるのは難しくありません。ところが朝になって座ったり起きたりすると、脳は心臓よりはるかに高い位置にあります。

ここに血流を届けるためには血圧を上げて、一生懸命血液を脳にまで届けなくてはなりません。この調節が上手くできないと、脳に血がまわらず立ちくらみが起こるわけです。

 

立ちくらみの原因は血圧コントロールがうまくできないこと

では立ちくらみを起こす原因は何でしょうか?それは、血圧の調節が上手くいかないことです。たとえば、急激に姿勢を変えると立ちくらみを起こすと言いますが、これは急激な姿勢の変化に、血圧の調節が追いつかないからです。

ですが、あまり怖いものではないので、気にする必要はありません。もう1つは先ほどから例にしている低血圧です。基本的に血圧が低めにコントロールされてしまうので、どうしても立ちくらみを起こしてしまいやすいのです。これもよほど血圧が低くなければ問題ないです。

最後に精神性のものがあります。多くの立ちくらみはここに該当してきます。血圧のコントロールは自律神経によって行われていますが、このバランスが狂うと、立ちくらみが起こりやすくなります。

自律神経のバランスを崩す原因はストレスであり、立ちくらみがしやすくなったら、ストレス解消を心がけるようにするしか対処はありません。

 

貧血も立ちくらみの原因になる

もう1つの立ちくらみの原因は貧血です。貧血というのはその名の通り血液の成分が貧しいことです。厳密には違うのですが、血が薄いと考えるとイメージが近いかもしれません。

貧血状態になると、血液を健常時と同じ量運んでも、血が薄いため脳に十分血流が届いていない状態になってしまいます。結果、脳の血流が不足していることになり、立ちくらみが起こります。対処は貧血の方を治療することです。

貧血が原因の立ちくらみは、とくに鉄欠乏性の貧血や、妊娠時の貧血で起こりやすいです。

 

ぐるぐる回るようなめまいは耳が原因

今度はめまいです。めまいを簡単に説明すると「平衡感覚を司る部分に異常がおきた状態」です。平衡感覚に異常が起きてしまえば、フラッとするのは当たり前の話です。めまいには大きく分けて2種類あります。

1つ目はぐるぐるまわるようなめまいで、これは耳に原因があります。よく「三半規管が弱いからジェットコースターが苦手」などと言いますが、ほとんどこれと変わりません。車酔いの原理とも同じです。三半規管は耳の内耳と呼ばれる部分にあります。

三半規管の役割は体の回転を感知することで、強い人は素早く環境に合わせられるけれども、弱い人はなかなか合わせられず酔ってしまうというわけです。車酔いなどの場合は、時間をかければ調節できるので問題ありません。

しかし、内耳に異常がある場合は、時間をかけても調節ができず、ぐるぐるとまわったような状態が続くことになります。とくに耳鳴りや、耳の聞こえずらさを併発している場合には、内耳が原因の可能性が高いです。対処は病院を受診することです。

 

ふわふわするようなめまいは脳に異常

体の平衡を感知するのは耳です。ですが、平衡を感知したら、体に指示を出して調節しなくてはなりません。この調節をしているのはもちろん脳です。脳に異常があるとこの指示がうまく出ずに、体がふわふわしたような状態になります。

このめまいは非常に危険です。脳梗塞、脳出血、脳腫瘍など命に関わる病気が多く、素早い処置をしなくてはなりません。特に手足のしびれ(片側だけしびれている場合はさらに危険が増す)、言葉が聞き取れない、うまく話せない、などの症状を伴っている場合は、救急車を呼んだ方がいいと言えます。

 

いかがでしたか。

ここまで、立ちくらみとめまいの違いを簡単に見てきました。人によっても分類が異なっているので、ほかの分類も存在します。ですが、わたしたちに言えることは、『ふわふわするめまいが一番危険』『立ちくらみでもめまいでも、根本的な病気を治すのが大切』ということです。

また、これは介護などで言えることなのですが、高齢者の方の立ちくらみは危険なので、急激な姿勢の変化は避けるようにしてください。立ちくらみそのものではなく、立ちくらみによって起こる転倒が危険だからです。骨密度が低下している場合もあるので、骨折が非常に怖いです。

 

まとめ

立ちくらみとめまいはどこが違う?症状を見分ける方法

・顔にしびれがあるか
・立ちくらみは脳の血流が不十分な状態
・立ちくらみの基本は低血圧
・立ちくらみの原因は血圧コントロールがうまくできないこと
・貧血も立ちくらみの原因になる
・ぐるぐる回るようなめまいは耳が原因
・ふわふわするようなめまいは脳に異常


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