飛行機などで急に高度な環境に入った時やトンネルに入った時に一時的に耳鳴りを経験した人は多いことでしょう。この耳鳴りは急な変化で耳管が対応できずに一時的に起こる現象で何も病的な事が無いです。
ですが、耳鳴りは耳からくる病気だけでなく他の病気が関係している可能性もあるのです。急に起こった耳鳴りがいつまでたっても治らない、またはすぐに耳鳴りは治まるがまたすぐに耳鳴りが起こり、頻回に起こるというような人は病気を疑った方がいいかもしれません。耳からくる病気、中耳炎や難聴くらいしか耳鳴りからくる病気と言っても思いつきませんよね。
いつまでも落ち着かない耳鳴りを何とかしたいと思っている人は多いでしょう。そういう人に参考にして頂きたい耳鳴りの原因と治療法を今回はご説明します。
耳鳴りの原因を素早く取り除く。
7つの症状と治療法
発熱や風邪症状があり耳鳴りが起こった時は中耳炎の可能性がある
インフルエンザや風邪の炎症が耳管を通って鼓膜の内側に炎症を起こしている状態の事を中耳炎と言います。それが原因で急性では耳の痛みと耳鳴りを生じます。ですが、高齢な方や慢性鼻炎の人はまれに気づかないうちに中耳炎が慢性化し、痛みを伴わずに耳鳴りだけが症状として現れます。この中耳炎を滲出性中耳炎と言います。
治療法としては軽症例では抗生剤を内服して様子を見ますが、炎症が酷い場合や小児では鼓膜を切開し膿を取り出します。また炎症が落ち着かない場合はまれに入院して点滴による抗生剤治療を行う場合もあります。
メニエール病により耳鳴りや耳の閉塞感をおこす
メニエール病は耳の鼓膜の内側にある内耳に通常からあるリンパ液が過剰になる事が原因でめまいや耳鳴りが起こります。原因は不明です。メニエール病は耳鳴りや耳の閉塞感から始まり、その後回転性の寝ていてもグルグルと回っているようなめまいが起こります。
治療法としてはリンパ液を少なくする薬を服用し、めまいや耳鳴りを軽減する薬と使用しますがまれに慢性化しますので早めの治療が大切になります。めまいや耳鳴りが内服薬でも落ち着かない場合は手術をする場合もあります。メニエール病な難病指定にもなっており、長期的な治療が必要な病気です。
突発性難聴により耳鳴りが起こる
突発性難聴は耳の中の内耳の蝸牛と言うところが障害を受ける事が原因で突然難聴を起こす病気です。原因はいまだ不明で大体の人は片耳に起こりますがまれに両耳に難聴を起す人もいます。症状としては突然の難聴にその前後で耳鳴りやめまいが起こります。時には強い吐き気を伴うことがあります。
難聴が発生してからなるべく早くに治療する事で回復するかどうか変わってくるので病気を疑う場合は早めの受診が必要です。治療は内服薬の併用によりなるべく安静にすることで様子を見ます。症状がひどい場合は入院して点滴治療が必要になります。
強い耳鳴りは脳出血の可能性もある
脳出血により脳の中の血液の循環が変わります。それに加えて出血している状態になるので高血圧になります。そうなると出血部位によっては脳出血が原因で耳鳴りが起こることもあります。脳出血の症状は激しい頭痛とめまい、体の力が入らなくなったり会話が不可能になります。まれに心臓が波打つような耳鳴りを起す人もいます。
治療法としては軽い出血の場合は点滴と安静で様子を見る場合がありますが、脳出血のほとんどが重症化し、手術が必要な事がほとんどです。ですので脳出血も早めの病院受診が必要です。出血がひどい場合は治療が困難な場合もあり、予後が不良な場合や重い後遺症を残すこともあるのです。
音が鳴るような耳鳴りを感じる場合は筋肉のけいれんの可能性がある
自分の脈よりも速いテンポで音が鳴るような耳鳴りを感じたことがある人は筋肉のけいれんが原因で耳鳴りが起こっている可能性があります。筋肉を使いすぎると手や足がけいれんするように耳に負担がかかる事や長時間イヤホンで音楽を聴いていると耳の中の筋肉もけいれんし耳鳴りが起こることがあります。
一度かかってすぐに落ち着く人もいますが酷い人や頻回に起こる人はまずはストレスが無い静かな環境で安静にすることが一番の治療です。ですが、症状が落ち着かない人は内服薬による治療が必要になります。ですので長時間イヤホンで音楽を聴いている人や大音量で音楽が流れている環境にいる人は注意が必要です。
心臓の音に合わせて耳鳴りがある場合は血管性の耳鳴りの可能性がある
脳内の太い血管に奇形や異常がある場合や耳の近くの血管に腫瘤があり、血液の流れが悪い事が原因で脳の血管内の雑音が耳を通して聞こえている状態を血管性の耳鳴りと言います。血管性の耳鳴りは自然に回復する事も多い症状です。
ですが、血管内の異常が進むことにより耳鳴りが落ち着かないこともしばしばあります。まずは脳の検査で脳や脳内の血管の異常がないかを検査する必要があります。そのうえで原因となる病気を治療する事で耳鳴りも落ち着く場合があります。治療により症状が落ち着かない場合は血圧が安定していない事が多いので血圧の状態により薬を服用し血圧を安定する事で耳鳴りも落ち着きます。
ボワーと言いようのない耳鳴りの時はストレスやうつの可能性がある
うつやストレスが多い状況で長いこといることにより強いストレスが耳にも加わり、それが原因で耳鳴りが起こります。これは不定愁訴といって精神的症状が身体的症状として現れる事により耳鳴りや腹痛、時には難聴や頭痛といった事が現れます。治療としては症状に応じた対処療法とうつの治療を行う事で耳鳴りも落ち着きます。
しかしうつやストレスが酷くなるとまた耳鳴りが起こる人がほとんどです。自律神経失調症や女性のホルモンバランスの崩れでも同じようなボワーとした言いようのない耳鳴りが起こることがあります。
耳鳴りはたんなる一時的な症状だろうと安易に考えている人もいるかも知れません。しかし、耳鳴りから考えられる病気には早めに対処治療しなければ命の関わる病気の可能性も高いのです。
ですので安易に判断せずに耳鳴りを感じた場合は今回の事を参照にして早めに病院に受診する事が必要です。また、小児の場合は自分では上手く症状を訴えられずに耳の痛みや耳鳴りでも慢性化し滲出性中耳炎に移行するケースが多いです。
そうなると治療も長期化します。ですので大人も子供も慢性鼻炎がある場合や風邪をひきやすい人は定期的に耳鼻科にて耳の検査をする事をお勧めします。そうする事で耳鳴りを起さない生活が出来るのです。耳鳴りが起きる人は今回説明した内容を参考にして治療に役立ててください。
まとめ
耳鳴りの原因を素早く取り除く。7つの症状と治療法
・発熱や風邪症状があり耳鳴りが起こった時は中耳炎の可能性がある
・メニエール病により耳鳴りや耳の閉塞感をおこす
・突発性難聴により耳鳴りが起こる
・強い耳鳴りは脳出血の可能性がある
・音が鳴るような耳鳴りを感じる場合は筋肉のけいれんの可能性がある
・心臓に音に合わせて耳鳴りが感じる場合は血管性の耳鳴りの可能性がある
・ボワーと言いようのない耳鳴りの時はストレスやうつの可能性がある