皆さんは膝の痛みが原因で、膝が曲がらないという生活を経験したことがありますか?階段の上り下りどころか、ちょっとした坂道でさえ歩くのが非常に難しくなります。
全身の体重を支える重要な部位である膝は、人間のあらゆる行動をスムーズにする役目もあります。しかし重要な部位なのに正面からの衝撃に弱く、横にねじる動作に全く対応していないため、最も痛めやすい体の部位の一つです。
膝の痛みをかばうと、ほかの器官に負担をかけることになり、痛みが広がったり、より運動が不自由になる場合があります。つまり膝を痛めないこと、膝の痛みを解消することが、毎日の健康な生活への第一歩なのです。
そこで今日は大切な膝を守る生活習慣についてお伝えします。毎日のちょっとした気遣いで膝の痛みのない快適な毎日を過ごしましょう。
膝の痛みは大病の源?
今すぐ治すべき7つの生活習慣
日常生活で身につけたい習慣
日常生活をしているだけで、実は酷使している膝。急な動きは禁物です。急に立ち上がること、勢いよくしゃがむこと、これらは相当な負担をかけて、膝の痛みにつながります。急いでいても膝と足の筋肉を適切に使うことを意識して、ゆっくりと立ち上がったり座ったりしましょう。
歩いている時も姿勢に注意。背中を丸めて歩くと膝にかかる体重の負担が増えます。背筋を伸ばして、胸を張って前を見て歩くことが、膝に負担をかけない正しい歩き方です。
また、女性に多いのですが、内股は膝を痛めて足全体を変形させてしまう可能性があります。足のつま先を正面に向けることを意識して正しく歩きましょう。
スポーツ時の注意と良い習慣
スポーツ選手には膝の痛みや怪我が非常に多いです。このことは膝が運動において、とても重要な役割を果たしていることの証拠でもあります。しかしスポーツでも、少しの気遣いで膝の痛みや怪我を防ぐことができます。
まずは膝の周りの筋肉を鍛えること。膝は骨がむき出しで、筋肉が無いように思えますが、膝の裏、そして腿の表(大腿四頭筋)と裏(ハムストリングス)の筋肉でコントロールされています。
これらの筋力アップは膝を保護するのに効果的です。加えて、運動前後のウォームアップとクールダウンは欠かさないよう、習慣にしてください。寝た姿勢で膝に体重をかけないストレッチを行い、柔軟性を保ちましょう。
また、どんなスポーツでも正しいフォームがあります。不自然な負担を避けるため、指導者から正しいフォームを指導してもらいましょう。
肥満を予防する
体重がかかる膝。もちろんオーバーウェイトの人のほうが膝の痛みを感じることが多いです。運動不足を解消しようと一念発起することはすばらしいのですが、自分の体重と膝の負担を良く考えて、その時に適切な運動を計画してください。日頃から肥満を予防する意識が大事です。
しかし、膝を過保護にすることはよくありません。オーバーウェイトでしかも膝の筋力が落ちていると、日常生活でもすぐに膝を痛めてしまいます。肥満予防の習慣は、膝の痛みを予防するためにも重要です。
地面と足元に気をつける
歩く時、運動する時、硬い地面を底が硬い靴で移動していませんか?膝をはじめ、関節は衝撃を吸収するクッションの働きをしています。その衝撃を少しでも軽減してあげることが、膝の痛みの予防につながります。
クッション性の高い靴を着用し、いかにも膝に悪そうな硬いアスファルトなどの場所での運動は避けて、天然芝や土のグラウンドを選ぶことを気にする習慣をつけてください。
膝に水がたまったら…
膝のような関節には、関節液と呼ばれる無色透明の液体が潤滑油の役目として存在しています。その関節液が入っている袋(関節包)を、摩擦で削れた骨などが刺激すると、関節包が炎症を起こします。そうなると関節内で関節液が過剰に分泌されます。これが俗にいう「膝に水がたまる」ということです。
こうなると膝の痛みや熱、膝の腫れに苦しまされます。水がたまる原因の骨の摩耗は、加齢や変形性膝関節症という病気によることもありますが、運動や怪我によって起きることもあります。
前述の膝を守る筋力アップ、ストレッチ、正しいフォームなどで、水がたまることも防げます。炎症が起きて水がたまってしまったら、病院で早急に水を抜いてもらいましょう。そして薬で炎症を抑えます。加えて、入浴、蒸しタオル、温湿布などで膝を温めることは、新陳代謝を活性化して、膝の痛みのもととなる物質を早く排出する効果があります。水がたまった膝の痛みには、温熱療法が効果的です。
膝を保護する装具の装着
詳細な原因は不明ですが、自己免疫疾患の一種と言われる関節リウマチという難病があります。リウマチは膝の痛みや他の関節の痛み、いろいろな関節に水がたまる症状が出ます。専門医による投薬治療が必要ですが、治療の補助として、ギブスのような膝を固定する保護装具の装着が行われることがあります。
装具で膝の負担を減らすことも大事ですが、全く動かさないで筋力を落とすことは好ましくありません。専門医と相談の上、適切な膝の運動を習慣としましょう。
細菌やウイルスに対する抵抗力をつける
突然の膝の痛みと同時に、膝が腫れて悪寒・発熱の症状が同時に出た時は、化膿性関節炎という病気が疑われます。この病気は黄色ブドウ球菌などの細菌が体内に侵入して、炎症が起こり、関節が化膿してしまう病気です。細菌に対する抵抗力が弱い幼児や高齢者に多い病気です。
細菌はいたるところに存在していますので、これを避ける事は不可能です。しかし、抵抗力が十分にある健康な状態ならば、発症率が下がり、症状が出たとしても軽くなることが知られています。十分な栄養、運動、睡眠、そしてストレスをためないように生活することを習慣として、この病気を予防しましょう。
膝の痛みは様々です。膝の皿が割れるような痛み、ズキッと突然くる激痛、膝の裏側が突っ張る感じ、膝の皿の内側がチクチクする、ギクッとかボキッと音がしたような感覚、などなど。
しかしいずれの痛みや違和感にしろ、一度そうなってしまったら、今までどおりに歩いたり立ったり座ったりできません。人間の全ての動きで膝が重要な働きをしていたことを実感します。時既に遅し。日常生活に支障が出る膝の痛みは、相当なストレスです。
このようなストレスを感じないため、いつまでも日常生活に不便を感じないためにも、日頃から膝に良い行動・運動を習慣にしておきましょう。習慣を身につける時はちょっとした意識と努力が必要ですが、身についてしまえばなんてことはありません。この記事を読み終えた今は、自分の立ち方、座り方、歩き方などを見直す良い機会ですよ。
今日のまとめ
膝の痛みを起こさない為に行う事
・急な動きは避けて正しい歩き方を習慣に
・筋力アップ・ウォームアップ・クールダウン・正しいフォームを習慣に
・肥満予防の習慣をつけて膝を過保護にしないように
・硬い地面と硬い靴底は避ける習慣をつけましょう
・膝の温熱療法で新陳代謝アップし、膝の痛みを和らげましょう
・膝の保護装具に頼り過ぎないよう、適切な運動を習慣にしましょう
・栄養・運動・睡眠・低ストレスを習慣にして病気への抵抗力をつけましょう