糖尿病の症状をチェックして、健康を保つ9つの術

糖尿病の症状をチェックして、健康を保つ9つの術
放置したままにして悪化すると、腎臓障害や手足の壊死など、おそろしい症状が出る糖尿病。糖尿病の症状ははじめのうち、痛みなどの自覚症状がないため、病院の検査や健康診断で血糖値が高いという結果が出ても、治療に通わない人が大勢います。しかし、そのまま放置しておくと、人工透析が必要となったり、神経障害が残ったりと、重症化してしまうのです。

国内の糖尿病は90%以上が2型糖尿病という、生活習慣が原因で発症する糖尿病です。2型糖尿病を簡単に説明すると、血液の中の糖分を細胞にエネルギーとして取り入れる働きをする、インスリンというホルモンが不足して、細胞にエネルギーが行き渡らなくなったり、血液中に余分な糖分がたまってしまう病気です。インスリンを作り出す膵臓の細胞に、中性脂肪が蓄積すると、インスリンを十分に作れなくなったり、インスリンの働きが弱くなったりすることが原因です。今日は糖尿病かどうかをチェックするための初期症状と、生活習慣改善のための情報をお伝えします。

 

糖尿病の症状をチェックして
健康を保つ9つの術

 

1. 体重が増えてきた

糖尿病の症状と言うより、糖尿病になる危険性がとても高いのが、肥満です。前述の通り、食べ過ぎ、栄養の偏り、運動不足によって、中性脂肪が膵臓のベータ細胞にたまってしまうと、ベータ細胞が十分なインスリンを作れなくなってしまいます。膵臓のベータ細胞しか、インスリンというホルモンを作れないので、ベータ細胞の機能を失ってしまうと、今後は注射でインスリンを定期的に補充しないと生きていけなくなってしまいます。

決して甘いものが糖尿病の原因となるわけではありません。ベータ細胞に中性脂肪をためないことが重要です。そのためにはバランスの良い食事を心がけ、日頃から肥満を予防しましょう。

 

2. 逆に体重が急に減ってきた

肥満の後に体重が急に減るようなことがあれば、これは糖尿病の症状の1つです。肥満が原因でインスリンが作ることができなくなると、血液中の糖分が細胞の中に取り入れられません。つまり、食べても食べてもブドウ糖が正常に利用されずに、慢性的なエネルギー不足になっている状態です。

こうなると体はエネルギーを補充しようとして、筋肉や脂肪からエネルギーを取るので、急激に痩せていってしまうのです。

 

3. 喉が渇く、尿の回数が多い

これも典型的な糖尿病の初期症状です。インスリンが不足していますから、糖分が細胞に取り込まれず、血液中に余分な糖分が多くなっていきます。そうすると血糖値(血液中の糖分の濃度)が高いと察知した脳が、「水を飲め!」という信号を出すのです。水分をたくさん摂ることで、体内の糖分を薄めようとするためです。

ところが、インスリンで処理することができない糖分は、いつまで経っても血液中に残ってます。よって喉がいつも乾いている状態になり、大量の水分を摂り続けるので、尿の回数ばかりが増えていきます。あまりに大量の水を飲むので、夜尿症になる人もいます。また、尿が泡立つのも糖尿病の症状の特徴です。

 

4. 全身がだるくて疲れやすい

インスリンが不足していますから、血液中の糖分が細胞にエネルギーとして取り込まれません。そのために体を動かすエネルギーが足りず、全身がだるくて、常に疲れている、または疲れやすいという糖尿病の症状が出ます。

 

5. 目がかすむ、視力が低下する

糖尿病の症状は目にも顕著に現れます。血液中に糖分が余剰にある状態が続くと、血液中のタンパク質と結びつく「糖化」という反応を起こしてしまいます。糖化したタンパク質が目の水晶体に行ってしまうと、水晶体を白く濁らせてしまうのです。この白く濁った水晶体のせいで、目がかすむと感じたり、視力が低下したりします。

また、糖分を過剰に含む血液は、ドロドロになってしまい、毛細血管などの細い血管を詰まらせます。目には細かい血管が集中しており、それらの血管で血流障害が起きることでも視力の低下がおきます。

最悪の場合は失明に至るという、糖尿病の症状の中でも、最も危険な症状の1つです。

 

6. 手足がしびれる

これも糖尿病の症状で最も危険なものの1つ、「糖尿病性神経障害」の初期症状です。糖分を多く含むドロドロの血液のせいで、血流障害が起き、酸素を十分に運べないことで末梢神経に障害が出ることです。

手足がしびれること以外にも、感覚が鈍くなって手足に怪我することが多くなったり、痙攣や足がつることが増えたりといった症状があります。

 

7. 肌がかゆい、かさつく

血液中の余分な糖分を排出しようとして、尿が多くなった結果、皮膚の水分が失われてしまい、肌のかさつきやかゆみといった症状も糖尿病ではよく見られます。

また、肌の水分が失われることから、水虫などの細菌に感染しやすくなる人が糖尿病患者には多いです。そして上述の糖尿病性神経障害によって感覚が鈍くなった部分の怪我に気づかず、そこから傷が化膿することも多いので、注意が必要です。

 

8. 立ちくらみ

立ちくらみも糖尿病性神経障害の症状の1つです。糖尿病による神経障害が自律神経にも及ぶと、立ち上がろうとした際に意識を失ってしまうということが起こります。

こういった自律神経の障害では、便秘や下痢、動悸や異常な発汗という症状も起こるのです。糖尿病の症状とは思われにくいのですが、これらも全てインスリンの不足が原因で起こりうることなのです。

 

9. 性欲がほとんどない

血行障害と神経障害という糖尿病の症状によって、男性の中には性欲減退が顕著に現れる人がいます。血流が悪く、神経の障害によって感覚も鈍くなっているので、糖尿病が原因の性欲減退は十分に起こりうることですが、精神的な影響も強いので、その後に本当のEDになってしまうケースもあるようです。

 

最初に述べた「体重の増加」は糖尿病になる前の予兆でしたが、その他は全て糖尿病の症状として、よく見られるものです。しかし、どれもよくよく意識しないと、気づかない可能性があるものばかり。そう、糖尿病は自覚の無さが最も怖いのです。肥満体型でなくても、今日お伝えした2〜9の症状に心当たりがある方は、膵臓のベータ細胞に中性脂肪が蓄積しているかもしれません。

糖尿病の治療開始は、早期であればあるほど、完治までの医療費総額を抑えることになります。予防が最も大事ですが、もし、今日お伝えした症状に心当たりがある方は、今一度、自分の血糖値を病院で検査して、糖尿病の初期症状かどうか確認して下さい。老後に重い症状が出てしまうのは、最も避けたい事ですからね。

 

今日のまとめ

糖尿病の症状をチェックして、健康を保つ9つの術

・体重が増えてきたら糖尿病予備軍の危険性を自覚しよう
・体重が急に減ってきたら、糖尿病になってしまっている可能性が大
・喉が渇く、尿の回数が多いのは、血液中の糖分が多すぎるせい
・全身がだるくて疲れやすいのはインスリン不足でエネルギーが足りない証拠
・糖尿病では目がかすむ、視力が低下するなどの目の症状も出る
・手足がしびれるのは、糖尿病性神経障害のおそれがある
・糖尿病による頻尿により水分が不足して、肌がかゆくなったりかさつくことがある
・立ちくらみも糖尿病性神経障害の症状の1つ
・血行障害と神経障害という糖尿病の症状によって、男性の性欲減退もあり得る


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