膝の痛みは日本人の20%が抱えていると言われます。悪化すると痛みは増す一方で、最終的には歩けなくなる可能性すらあります。膝の痛みで一番多い原因は、軟骨の減少です。ところがこの軟骨は減少することがあっても回復することはありません。
したがって、膝の痛みがでた場合には素早く原因を発見し、軟骨が減らないようにしなくてはならないのです。また、軟骨がすり減る以外にも膝の痛みを起こす原因は存在します。
軟骨以外の場合は、対処を間違えると急激に悪化したり、スポーツをやっている場合は選手生命を絶たれる可能性もあります。
今回は膝の痛みの考えられる原因を7つあげます。これらは、あくまで例です。まったく別の原因や複数の原因がからんでいる場合もあるので、痛みが出たら、医師の判断をあおぐようにしてください。
膝の痛みの原因を探る!
考えられる7つのケース
老化(変形性膝関節症)
まずは老化です。これによって起こされる痛みは変形性膝関節症と呼ばれます。軟骨の減少は年齢が重なっていくと、どうしても進んで行ってしまい、避けることは難しいです。とくに日本人はO脚気味の方が多く、膝の内側の軟骨が削れていってしまいます。
やがて、完全に削れてしまうと、膝を動かすたびに、骨と骨が直接ぶつかるようになります。これはもはや神経と神経を直接こすりあわせているようなもので、痛くて当然です。O脚は、早めに矯正しておくと、老化による軟骨の減少をおさえることができます。
肥満
肥満も膝に負担をかけます。単純に膝にかかる負荷が増加するため、膝の痛みを悪化させます。ただ、肥満が原因の膝の痛みには、ちょっと厄介なところがあります。肥満を解消しようとしてダイエットを開始したときこそが、膝を痛める危険性が最も高いときなのです。
新しく運動を始めたときは、まだ体の方も準備ができていません。膝にも運動に耐えられるだけの筋肉(膝は関節ですが、筋肉だってあります)がついていないのです。
最初の運動は控えめに。ダイエットでランニングを始めるならば、その前に十分な期間ウォーキングをするようにしてください。
筋肉の衰え
これは老化現象でもおこりますが、足を骨折した後などでも考えられます。体重は膝だけで受け止めているわけではありません。とくに太ももの筋肉は体重を受け止めるのに重要な働きをしていて、この部分の筋肉が落ちると膝に負担がかかり、痛みがでます。
とくに気を付けたいのが若い女性。足を細く見せたいために筋肉をつけたがらない方が多いですが、ある程度は筋肉がないと危険です。年を重ねれば嫌でも筋肉は落ちていってしまうので、若いうちにある程度筋肉をつけておきましょう。
腰痛
腰痛が原因で膝の痛みが出る場合もあります。とくに片側の腰が痛いという場合が危険で反対側の足が痛みます。もし、左腰が痛くて右膝にも痛みが出た、あるいはその逆が起こった場合には、腰痛が原因で膝痛がでている可能性があります。
片側の腰が痛むと、無意識的に反対側に負担をかけて庇おうとします。このときにもっとも負担がかかりやすいのが、反対側の膝なのです。原因である腰痛を改善すれば、膝の痛みも治まる可能性が高いので、腰痛の積極的な治療をオススメします。
半月板の損傷
よくスポーツ選手などで聞く症状ですが、スポーツ以外でも起こる場合があります。スポーツの場合、強い衝撃が膝にかかったときに半月板と呼ばれる軟骨が損傷します。痛み方の特徴としては引っかかった感じがするのが特徴です。
そして、一気に強い衝撃を受けた場合以外にも、長い間衝撃を受け続けると半月板が損傷するケースもあります。もし、引っかかる様な感じがする痛みなら、半月板の損傷も考えられます。
関節リウマチ
変形性膝関節症、半月板損傷と並んで、膝の三大疾患と呼ばれる病気です。余談ですが、この三大疾患の中では変形性膝関節症が一番多いので、まずはそれを疑ってください。さて関節リウマチは自己免疫性疾患です。今までの病気は外因性でしたが、これは内因性です。
自分の免疫システムがどうしてか、自分の体を攻撃してしまうのです。関節リウマチの場合はその名の通り関節が攻撃を受け破壊されます。症状の特徴は左右対称に症状がでることで、片側だけということはまずありません。
また朝にこわばりが出ることも多いです。関節リウマチは症状が出てすぐの治療で、予後にかなりの差が出ます。関節リウマチの疑いがあったら、速やかに病院へ行きましょう。
オスグット・シュラッテル病(成長痛)
これは子供に見られる病気で、とくに運動をよくする子供に気を付けてもらいたい病気です。いわゆる成長痛の1つで、子供の柔らかい骨から大人の硬い骨に変化するときに、他の組織の成長がついていけないことが原因で起こります。
一番の特徴は正座をしたときに痛みがでることで、スポーツをしていて、正座をしたときに痛みがでたら、病院で医師の診断を受けてください。よくスポーツをする子供を持つ親や、少年団などで指導をしている方には、ぜひとも知っておいてもらいたい病気です。
いかがでしたか。
野球のピッチャーが肩は消耗品などと言いますが、膝も同じ関節なので似たようなところがあります。ですが、大切に使い、異常が起きても速やかに対処すれば、消耗品が壊れるまでの寿命は大きく伸ばすことができます。
最近は人工関節もかなり優秀になってきているので、最終手段としては手術も頭の片隅には入れておくといいでしょう。しっかりと自己管理をして、膝を大切にし、一生元気に歩ける体を維持していきましょう。
まとめ
膝の痛みの原因を探る!考えられる7つのケース
・老化(変形性膝関節症)
・肥満
・筋肉の衰え
・腰痛
・半月板の損傷
・関節リウマチ
・オスグット・シュラッテル病(成長痛)