目が回ると吐き気を催したり視界がぼやけたり、頭がぐらぐらしたりと気分が悪くなることがありますよね。小学生の頃は目が回るのを面白がってぐるぐる回転して遊んでいたりもしましたが、大人になってまで目を回して遊ぶ機会はそうそうありません。
今となっては目が回るのは体調不良になったときやコーヒーカップに乗ったときくらいのものではないでしょうか。そもそも、なぜ目が回るのでしょうか。
フィギュアスケーターや体操選手、サーカスの団員なんかはコーヒーカップより遥かに速く、くるくる回転していますが目を回すところなんてお目にしたこともありません。このことから、慣れれば目が回ること自体なくなるのではないかという気がしますよね。
そこで今回は目が回るメカニズムについて、対処法と合わせて解説させていただきます。興味のある方はご一読くださいね。
目が回るのは何故?
メカニズムと対処法を徹底解説!
起立性低血圧
寝ている状態から立ち上がったとき、いきなりくらっとめまいを感じたという経験はありませんか? それは起立性低血圧と呼ばれるもので、ひどい場合は失神することもあります。横になっている状態から立ち上がると重力がかかりますよね。
そのため、血液も重力に逆らわず下に下がろうとします。しかし脳に血液が廻らなくなってはいけないので、ここで自律神経が働いてきちんと脳に血液を循環させようとします。その結果、通常通り脳に血液が循環する仕組みになっています。
ただし自律神経の不安定な方も中にはいらっしゃるので、そういった方は寝ている状態から立ち上がったとき、重力に逆らう力が弱く脳から少し血液が下がってしまいます。そのため立ちくらみやめまいによって目が回るというわけです。
対処法としては、ゆっくり起き上がることや寝る前に水を準備しておいて起き上がる前に水を飲んで血液を増やしてから起き上がることなどがあります。
入浴による血圧の変動
こちらも上記と似たような現象ですね。お風呂から上がったときにめまいがした経験は誰でも一度はあるのではないでしょうか。熱いお湯に長くつかっていると血管が広がり、血圧も下がります。
すると頭に十分な血液が行き渡らなくなり、ここで勢いよく立ち上がることによって血圧の低下に拍車をかけて起立性低血圧と似たような状態になるのです。
対処法は、熱めではなくぬるめのお湯にゆっくりつかることと、お湯からでるときはゆっくり立ち上がることです。特に冬場のお風呂は脱衣所との気温差も激しいため注意が必要です。
食事による血圧の変動
食事でも血液が変動することはご存知でしょうか。食後は血液が消化器に集まります。これによって頭に血液が行き渡らなくなり、上記2つと同じような状態になってしまうことがあります。
目が回る対処法として言われることはあまりありませんが、ご飯をゆっくりよく噛んで食べることで防止できます。消化器に負担をかけないためにも早食いや、空腹時に一気にたくさん食べることは避けましょう。
また、食後にカフェインの入った飲み物を飲むと頭に血液が行き渡るので、食後は緑茶やコーヒーなどを飲むといいでしょう。食後に一杯というのは理にかなった行動といえますね。
運動による三半規管の反応
一番標準的な目の回りがこの三半規管の反応によって起こるものではないでしょうか。ぐるぐる回転したり乗り物酔いしたときに一時的に目が回るのは、この三半規管の反応によるものです。
三半規管の反応には個人差がありますので目が回りやすかったり回りにくかったりと個人差があるのはこのためです。耳の奥には内耳と呼ばれる場所があります。この内耳という場所に三半規管という器官が存在するのです。
三半規管の中にはリンパ液と感覚細胞があります。リンパ液と感覚細胞はあなた自身や乗り物の動きに影響を受けて一緒に動くのですが、完全に連動しているわけではありません。あなた自身や乗り物の動きが止まっても、しばらくは惰性で動き続けます。
周りの動きは止まっても感覚細胞が動き続けているため体がまだ動いているような錯覚を感じ、目が回るというわけです。しばらくすれば自然に収まりますので対処法らしき対処法はありませんが、安静にしておいた方が治りは早いかもしれませんね。
更年期による三半規管の異常
更年期の女性によく見られる現象です。というのも、女性は閉経を迎える頃(更年期)になると、女性ホルモンが低下します。同時にカルシウムが不足しがちになり、耳石がはがれやすくなるのです。
このめまいは視界がぐるぐる回転しているように感じられ、ときには激しい吐き気も伴うめまいです。良性発作性頭位めまい症といわれるもので、30秒から1分程度で収まります。
三半規管に炭酸カルシウム(耳石)が入り込むことによって引き起こされる更年期障害の一種であると考えても良いでしょう。発症しても耳石を元の場所に戻すことで対処できますが、病院へ行かなければ元には戻せないので、しっかり予防したいですね。日ごろから頭を良く動かすことが予防になります。
ストレス性の自律神経の乱れ
ストレスによりめまいを覚えて目が回っている状態です。今まで述べた一過性のものとは大きく異なり、長時間にわたって繰り返し続くこともあるやっかいなめまいだといえますね。目が回るだけでなく、頭痛や肩こり、胃痛なども一緒に表れることもあります。
ストレスによって自律神経が乱れて引き起こされている目の回りですので、ストレスを取り除くのが一番の対処法です。一番手っ取り早く自律神経を落ち着かせる方法として、腹式呼吸を行うという方法があります。
ヨガやストレッチも似たような手段ですね。森林浴などもいいでしょうが、仕事中や外出中に突発的に目が回ったときは、まずはゆっくり落ち着くまで腹式呼吸を繰り返しましょう。
病気の発症
最後にご紹介するのは病気の発症による目の回りについてです。書いてしまえばいたってシンプルなのですが、こうなってくるとメカニズムを解説して対処法を見つけるのは医師に任せる他ないでしょう。
軽いものであれば貧血による立ちくらみという可能性もありますし、めまいとともに難聴や耳なりもあらわれている場合はメニエール病や突発性難聴を発症していることも。また、めまいに加えてふらつきがあれば前庭神経炎ということも考えられます。
また、手足のしびれもある場合は脳卒中の可能性もありますのでただちに病院へ行きましょう。
いかがでしたか。
上記では目が回るメカニズムと対処法について7つご説明しました。目が回る原因にも意外と多様性があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。病気の発症は防げない部分もあるでしょうが、それ以外のめまいについてはちょっと意識するだけで防ぐことができます。
最近立ちくらみが多いという方や、回転するものに乗ったわけでもないのによく目をまわすという方は上記を参照して、ちょっとした動作に気を付けてみると、目をまわすこともなくなるかもしれません。
まとめ
目が回るのは何故?メカニズムと対処法を徹底解説!
・起立性低血圧
・入浴による血圧の変動
・食事による血圧の変動
・運動による三半規管の反応
・更年期による三半規管の異常
・ストレス性の自律神経の乱れ
・病気の発症