全身麻酔にはどんなリスクがある?7つのリスクと副作用


皆さんは全身麻酔を使ったことがありますか。名前は聞いたことはあっても、使ったこともなく、あまり詳しく知らないという方がほとんどだと思いますので、まずは全身麻酔について簡単に説明させて頂きます。全身麻酔とは、麻酔薬を投入して意識を喪失させ、痛みを感じないようにし、筋肉の働きを弱め、有害反射を抑制をした状態にすることです。

全身麻酔をすると次第に意識が薄れていき、完全に眠っているような状態になります。あらゆる部位の手術に用いることができ、現在多くの手術で全身麻酔が用いられています。比較的安易に手術に用いられている印象をお持ちの方が多いかと思いますが、実は多くの危険が隠れています。全身麻酔には多くのリスクと副作用が伴うのです。

麻酔薬により軽い合併症などの症状だけ出る場合もあれば、適切な処置を行わないと危険な状態にさらされる場合もあります。

そこで今日はあまり認知されていない、知らないと怖い全身麻酔のリスクと副作用についてお伝えします。ではご覧ください。

 

全身麻酔にはどんなリスクがある?
7つのリスクと副作用

 

震えが止まらなくなる

麻酔をかけるためには麻酔薬を体に投入します。すると、薬の作用が働き体が温度を保つする機能は低下します。手術の際はほとんど裸の状態であるため、出血をしたりすると一層体温が低下してしまいます。

この状態で全身麻酔から目覚めると、脳がその低体温を感じ、一気に筋肉を震わせて体温を上昇させようとします。

その結果、体がブルブルと震え、しばらくの間止まらなくなるということが起こります。体が震えるだけでなく、寒気を感じたり、発熱する場合もあります。これらの症状はしばらく暖めることで徐々におさまっていきます。

 

体中が痛くなる

全身麻酔をして手術をすると、寝たきりの時間が長く続きます。寝返りをしたり腰を動かすことができず、同じ姿勢を長時間続けるため、腰椎に負担がかかってしまい腰や背中全体が痛くなります。

また、全身麻酔の際には口から細い管を入れて酸素を送ります。その細い管が原因で喉や声帯に炎症を起こすこともあります。すると、目が覚めたときに喉に痛みを感じたり、声がかすむことがあります。これらは最も発生頻度の高い、軽い合併症です。

 

声帯が傷つき、喉が痛む

全身麻酔では、人口呼吸を行うため口から細い管を挿入します。声帯を通して気管内まで挿入するため、声帯に傷がついてしまう可能性があります。こういった傷は、たいていの場合は数日後には自然に治るのですが、この傷が元になり、声帯に肉芽腫が生じる場合があります。

これが生じると喉の痛みや喉のかすれといった症状が出ます。また、確立は極めて低いですが、声帯を動かす反回神経がマヒすることがあります。

 

アレルギー反応を起こす

麻酔薬などに対してアレルギーをもつ人もいます。こちらはまれなケースですが、投与された麻酔薬や手術そのものが原因でめまいがしたり、吐き気が止まらなくなる場合もあります。

また手術では様々な器具を使用します。手術用の管やチューブや手袋など、普通に生活していて触れることがないような物質に対しても、体に合わず、アレルギーを反応を起こす可能性があります。これらのアレルギー反応を早期発見できなかった場合は症状が重症化する場合があります。

 

神経障害が起こる

これは手術中に体を動かすことができないために起こります。手や足のしびれたり、麻痺することが主な症状です。手術中に長い時間にわたり神経が圧迫されたり、伸びきった状態にされると起こる場合があります。

通常は数日から数週間でもとに戻りますが、適切に治療がされなかった場合は重症化したり、後遺症が残る場合もあります。これまでに紹介したものは軽度の症状であり、日を追うごとにおさまっていきます。

しかし、適切な処置・治療が必要な場合もあり、それを行わないと軽度の症状では済まなくなる可能性があります。自身の体で少しでもおかしなところ、違和感があればすぐに医師に伝え、適切に対応することが重要です。以降、最も重症なケースをご紹介します。

 

記憶障害をもたらす

発生頻度は極めて低いものですが、全身麻酔によって記憶障害をもたらすことがあります。

全身麻酔をした手術後、今までは普通に過ごしていた自分の家の場所がわからなくなったり、家族の名前が思い出せなかったりと、記憶力が低下してしまうのです。麻酔が原因で脳に炎症を起こしたり、体の免疫力を弱めることが原因ではないかとされています。

高齢の方に発生する確立が高く、そのまま記憶が戻らない、回復しないという場合もあります。

 

最悪の場合、心臓が停止する

現在は麻酔医が注意深く心電図モニター等のデータを、手術前から手術中、手術後もチェックしており、異変が起きてもすぐに対応できる状態にしてあります。なので全身麻酔が原因で心停止、死亡する確立は極めて低いと言えます。

しかし確率は0%ではありません。手術中に呼吸困難に陥り、死亡してしまった。心停止し、そのまま回復することがなかった。そのような事例が少なからずあるのです。確立が低いとは言えど、死亡することは一切ないとは断言できないのです。

 

このように、全身麻酔には多くのリスクや命に関わる危険が伴います。知らなかったでは済まない事が数多く隠れているのです。人によって症状は様々です。全く異変が出ない場合もあれば、症状が重く出る場合もあります。大切なことは、正しい知識を身につけて医師の説明をしっかり受けて手術にのぞむことです。

そして手術後も自身の体に気を配り、異変が表れたときにすぐ適切な処置・治療を行うことが、重症化させないことに繋がります。この機会に皆様が全身麻酔のリスクと副作用についての知識を高め、正しく安全に手術、治療が行われることを願います。

まとめ

全身麻酔のリスクと副作用には

・震えが止まらなくなる
・体中が痛くなる
・声帯が傷つき、喉が痛む
・アレルギー反応を起こす
・神経障害が起こる
・記憶障害をもたらす
・最悪の場合心臓が停止する

などがあります


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