腰痛と吐き気がするなら要注意、疑われる危険な病気

腰痛と吐き気がするなら要注意、疑われる危険な病気
腰痛は色々な病気が原因で起こる症状です。急性腰痛症、いわゆるぎっくり腰はある日突然激しい腰痛を起こします。

また、吐き気もお酒の飲み過ぎや食事の食べ過ぎでも起こりやすい症状です。ストレスにより腰痛も吐き気も起こります。腰痛も吐き気もよく耳にする症状で、1つだけの症状が出ている時、腰痛は腰の病気、吐き気は胃の病気かなと思いそれぞれに整形外科や内科に診察を受けに行かれると思います。

その時に本当に腰の骨の病気や胃の病気ならその診察を受けて病名の診断がおります。でもこの2つの症状が同時に起こる場合、腰の骨とも胃の病気とも違う重大な病気が隠れているかもしれません。

今回は腰痛と吐き気が同時に起こる場合に疑われる病気を7つご紹介します。

 

腰痛と吐き気がするなら要注意、
疑われる危険な病気

 

「膵臓がん」早期発見が難しい

膵臓は胃と十二指腸に囲まれて、腹膜に癒着しているためほとんど動きません。胃の後ろ側に隠れるような場所にあります。みぞおちから左わき腹にかけての痛みが主ですが、背中から腰にかけての痛みも出ます。その他に症状として吐き気、体重減少、黄疸などがあります。

原因は不明ですが、危険因子として飲酒、喫煙の習慣、肉を多く食べる、慢性膵炎、胆石症、糖尿病など元々持っている病気がきっかけで起こる場合があります。高齢者ほど多く発症する病気で、症状が現れにくく、早期発見が難しい病気です。

 

「脊椎カリエス」結核菌が原因

脊椎カリエスは結核菌により起こる病気です。

肺の結核菌が血液から脊椎に運ばれて起こる病気で、腰椎、胸椎に多く、首の部分の骨である頸椎に起こるのはまれです。腰椎は腸腰筋の筋肉内に膿瘍が作られ、腰椎の周囲の膿瘍と腸腰筋膿瘍は重力により下降し、流注膿瘍になります。腰痛以外の症状は食欲不振、微熱、体重減少があります。

感染症ですので、微熱その他体調により吐き気、また膿瘍のために腰痛も起こります。

 

「腹部大動脈瘤」動脈硬化が原因

腹部大動脈瘤は中高年の男性に多い病気で、動脈硬化が原因で起こります。

その動脈硬化を引き起こす原因にはコレステロール値が高い、高脂血症などの脂質異常症や、糖尿病、高血圧症、運動不足、ストレス、肥満、喫煙、加齢などがあります。

腰から背中にかけての痛みがあり、咳やしわがれ声、物が飲みこみにくいなどの症状があります。

 

「腎盂腎炎」風邪に良く似た症状

腎盂腎炎は、膀胱内の尿が腎臓に逆流して尿中の細菌に感染して起こります。

尿の細菌が増殖する原因は、膀胱炎があり細菌感染していること、また、尿の逆流が起こる原因は、尿道結石、前立腺肥大などにより、尿道が狭くなるために起こります。

腰のあたりの鈍い痛み、頻尿、強いめまいや頭痛、吐き気などが出ます。女性は尿道が短いために起こりやすい病気です。

 

「尿路結石」男性に多く、激しい痛み

尿路結石とは尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道のどこかに石ができる病気で、激しい痛みがあり、吐き気や冷や汗を伴います。

尿路が狭くなることで尿が溜まったり、尿のカルシウムの濃度が高くなるとできやすく、身体の水分不足でも起こりやすい病気です。男性が女性に対して2-3倍の発生率です。

 

「子宮内膜症」子宮内膜が子宮以外の場所に

子宮内膜症は、30-40代の女性に多く発症し、月経時に下腹部や腰の強い痛みがあり、吐き気、貧血などを伴います。

原因ははっきりとはしていませんが、子宮内膜が含まれた月経血が卵管を逆流し、他の部分で子宮内膜が増加していくためだと考えられており、チョコレート嚢胞と呼ばれる袋状の組織や腸などへの癒着が起こります。

 

「子宮がん」頸がんと体がんの2種類

子宮頸がんは20-30代の若い女性で増加しています。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染から起こるものが多く、性交渉で感染します。

子宮体がんは女性ホルモンのエストロゲンが長期間分泌されると発症しやすく50-60代の閉経後の女性に多く起こる病気です。下腹部痛、腰痛があり、月経以外の不正出血や性交時の出血、おりものの異常などがみられます。

 

いかがでしたでしょうか。

腰痛、吐き気が揃うと内科、泌尿器科、婦人科、感染症と様々な可能性があります。あまり痛みや吐き気がひどくないからと診察を後回しにせず、いつもと違う痛み、吐き気がある場合は早めに病院を受診しましょう。

7つの病気のうちの脊椎カリエスは結核菌の感染から起こりますが、日本は結核の患者数が先進国の中では非常に多く、人口10万人に対して16.7人。これは米国3.4人の4.9倍、ドイツ4.3人の3.9倍、オーストラリア5.4人の3.1倍です。(厚生労働省平成24年結核登録者情報調査年報より)

結核に関してはとても先進国とは言えない状態です。また、この7つの病気の原因のうち、加齢以外の原因は本人が気を付けることで改善できることがあります。その改善できることに対しては嗜好品、食生活、もともと持っている病気の状態が良いまま安定するように環境を整えることが大切です。

 

まとめ

腰痛と吐き気がするなら要注意、疑われる危険な病気

・「膵臓がん」早期発見が難しい
・「脊椎カリエス」結核菌が原因
・「腹部大動脈瘤」動脈硬化が原因
・「腎盂腎炎」風邪に良く似た症状
・「尿路結石」男性に多く、激しい痛み
・「子宮内膜症」子宮内膜が子宮以外の場所に
・「子宮がん」頸がんと体がんの2種類


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