肩手症候群って何?聞きなれないこの病気を解説します!

肩手症候群って何?聞きなれないこの病気を解説します!

肩手症候群は、特定の病気や怪我などがきっかけとなり、異常な手の痛みや痺れ、むくみ等の症状、または運動障害が現れるものです。症状が現れる範囲は首から腕にかけて、手の指先までに至ります。

重い症状が現れると、ひどい腫れや、指や肩が動かせないなど、仕事や日常生活にまで支障をきたします。そもそも、肩手症候群は複合性局所疼痛症候群という、何らかの原因で交感神経が過敏になりすぎたため起こる痛みや症状の一種で、主に肩や手指に現れるものを指した言葉です。

症状自体は一般的なものなので、自覚しづらく、リハビリの際に理学療法士などに指摘されてわかることが多いと言います。ここでは、原因を含め、よくある症状や治療法をご紹介します。

 

肩手症候群って何?聞きなれない
この病気を解説します!

 

脳卒中の病後など、特定の病気によって引き起こされる場合があります

肩手症候群の症状は、脳の血管に異常があって発症される脳卒中の病後に後遺症として多く見られるそうです。その他、水疱瘡ウイルスから発生すると言われている帯状疱疹や、心疾患などの病後に発生することが多いとされています。

病気によって交感神経が過敏になり、痛みや麻痺の範囲が病気とは関係なく広がったり、痛みが強くなったなどの症状が引き起こされます。

 

怪我などの外傷やヘルニアなどでも発生することがあります

腕の骨折、打撲などの怪我によっても肩手症候群の症状が発症することがあります。怪我自体の治療が進み、リハビリをするタイミングになっても一向に手指を動かすことができなくなったりして肩手症候群の症状に気が付きます。

怪我以外にも、頚椎ヘルニアや神経の損傷などが原因と考えられています。回復が長引いているな、と感じたら注意が必要です。

 

切られるような痛みのほかにも、腫れや手汗などの症状があります

外傷などの傷は治ったにも関わらず、怪我からは考えられないような痛みや腫れの症状が出るのが肩手症候群です。いつまでも怪我をしているかのようにまっ赤で病的な腫れがひかなかったり、刃物で切られたようなズキズキする痛みは主に手指に感じます。

また、熱さを過敏に感じるようなったり、熱くないのに手汗を頻繁にかくなどが代表される症状です。

 

肩が上がらないなど、運動障害があらわれます

痛み以外にも運動障害が起こり、肩手症候群に気が付く場合が多いとされています。日常生活が送れないほどに、指が曲がったまま動かせなくなったり、手首が回らないなど、腫れを伴う運動障害が現れるでしょう。

また、肩が上がらなくなったりと、一見して心配ないような症状からも、次第に範囲が広がったり、痛みが伴い肩手症候群に至ります。

 

代表的な治療として温冷交代浴療法があります

肩手症候群は交感神経の障害とされているので、交感神経に作用するような治療をします。代表的なものが温冷交代浴療法と言って、暖かいお湯と冷たい水に交互に患部をつけて自律神経のバランスを回復させる方法です。

40度くらいのお湯に3分程度、13度くらいの水に30秒程度、5回ほど繰り替えして、最後にはお湯につけて終えます。これを1日3回はおこないます。

 

化学療法ではステロイド薬を処方されるか、注射など、部位により異なります

肩手症候群の治療として、脳卒中で引き起こされたものについては、ステロイドの錠剤を処方され、服用することにより短期間で効果があるとされています。また、痛みのでる箇所が肩の場合は、ステロイド注射が有効ですが、ステロイドには副作用もあるので充分注意が必要です。

 

首からきている症状には交感神経ブロックが使われています

原因が頚椎ヘルニアなど、首からきている場合には、交感神経ブロック注射が治療法として挙げられます。交感神経ブロックとは、首の付け根付近にある星状神経節に集まる交感神経に局所麻酔をして神経を麻痺させ、痛みの伝達を防ぐ方法です。

一般的な対処療法ではありますが、とても効果があるとされています。ブロック注射は専門のペインクリニックや麻酔科で受けることができます。

 

いかがでしたか。肩手症候群は重い症状がでてしまうと、完治までに数年かかる場合もあります。完治を目指すのであれば、やはり、早期の治療開始が大切です。

そのまま放置してしまうと、最初は手指だけにあった腫れや痛みも不自由になるに連れて動かさなくなって、腕そのものの重さから肩や首に負担をかけるので痛みの範囲が広がってしまいます。また、無意識のうちに痛みや腫れの強い患部をかばってしまい悪化を呼ぶこともあります。

病気や怪我から症状が現れている可能性を感じるなら、早急に主治医に相談するとよいでしょう。肩手症候群は、自律神経である交感神経の異常なので、治療以外にも自分で自律神経のバランスを整える生活習慣などを積極的に取り入れ、改善しましょう。

 

まとめ

肩手症候群って何?聞きなれないこの病気を解説します!

・脳卒中の病後など、特定の病気によって引き起こされる場合があります
・怪我などの外傷やヘルニアなどでも発生することがあります
・切られるような痛みのほかにも、腫れや手汗などの症状があります
・肩が上がらないなど、運動障害があらわれます
・代表的な治療として温冷交代浴療法があります
・化学療法ではステロイド薬を処方されるか、注射など、部位により異なります
・首からきている症状には交感神経ブロックが使われています


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