まだ若いのに膝が痛い!原因となる7つの病気とは?


「おかしいなぁ、なんだかちょっと膝が痛い!でもまだ膝が痛むような年齢じゃないし、まだまだ若いから平気」なあんて、思っていませんか?

しかし、若いからといって油断は禁物、放っておいたらある日突然もっと痛みがひどくなるなんて事もあります。冗談じゃない、まだそんな歳じゃない、なんて思ってみても、習慣の蓄積は正直です。

日頃の生活の全てが、あなたの身体、神経、関節、そして膝にダメージを与えています。そこで今日は、まだ若いのに膝が痛い時、原因となっている病気などについてお伝えします。ではご覧ください。

 

まだ若いのに膝が痛い!
原因となる7つの病気とは?

 

変形性膝関節症

一番多いのが、変形性膝関節症。膝の痛みを訴える患者の約半数を占め、日本全国では約1000万人いると言われています。端的に言えば、ひざ関節の軟骨がすり減ることで痛みが起こる病気です。

そもそも膝は、普通に歩くだけでも体重の二倍、階段を昇り降りしている時には六~七倍もの力がかかるのです。デリケートに扱うべき精密部品と言っても良いのです。

この病気は、他の病気が引き金になる場合もありますが、圧倒的に発症原因が特定出来ない一次性のものが多数を占めます。歩き始めなど、膝を動かそうとした時痛みを感じたり、膝が重い感じがしたり、長く歩いた後、階段の昇り降りの時に痛みを感じると、要注意。

少しずつ症状が現れ、ゆっくりと進行するのが特徴で、軟骨の変化に伴って、膝の関節が変形していきます。軟骨の摩耗が激しいと、骨同士が擦り合い、激しい痛みが起こるようになります。また、バランスが崩れて、多くはO脚に変形して行きます。

女性の発症が男性の三~四倍多いのですが、これは筋力の弱さが原因とも考えられています。肥満体型の人は、変形性膝関節症になりやすい体質と言われています。

和風の生活、特に長時間の正座や和式トイレの使用の他、足に合わない靴やハイヒールの使用なども原因となります。あなたの靴、ちゃんと合っていますか?

 

半月板損傷

衝撃を吸収するクッションの役割をする半月板が損傷したり断裂したりする病気です。サッカーやラグビー、フットボールなどの激しい運動をしている時に良く起こりますが、普段でも、膝にねじりなどの負担をかける動きが続くと起こります。

階段の昇り降りの時や、ある角度に膝を曲げた時に傷んだり、坂道や階段の途中で足がガクッとなって不安定になったり、膝の中でゴリッとか、ゴキッとかいう音がします。放置すると水が溜まったり、痛みが激しくなります。

壊れた半月板の断片が、更に半月板を傷つけることもあります。早期の内ならサポーターをつけて安静にすれば治りますが、症状がひどい場合は外科手術で治療します。

 

靭帯損傷

関節の周囲にある靭帯が損傷して起こる場合です。まず、前十字靭帯損傷。膝の前側と後側にある十字靭帯は、大腿骨と脛骨の間を交差している靭帯で、膝の前後の動きを安定させています。

急に足を止めたり着地したりなど、膝に大きな衝撃がかかると、この靭帯が切れやすくなります。激しい運動時には要注意です。

次に、内外側側副靭帯損傷。膝関節の内側と外側で、左右の動きを安定させている靭帯が損傷する病気です。膝の変形の他、事故などで生じます。

これらも、断片化した靭帯の欠片が、更に痛みのもとになります。半月板損傷と同じく、早期ではサポーターをつけますが、症状がひどい場合は外科手術で部分切除や縫合を行います。

 

膝関節水腫

膝に水が溜まる病気です。膝関節の内部で軟骨や靭帯などが傷つくと、炎症を起こして熱が出ます。その熱を冷やそうとして出てきた水(滑液)が、そのまま溜まると水腫になります。ただ、外傷とは別に、感染症などが原因になることもまれにあります。

また、筋力の低下が原因となることもあります。筋力が弱いと、関節の内圧が下がって水がたまりやすくなるのです。水は注射で抜きますが、水が溜まる根本原因を治しているわけではないので、また水腫が生じます。

水が溜まると軟骨に栄養が届きにくくなり、軟骨がもろくなります。軟骨を補おうとグルコサミンやコンドロイチン硫酸をサプリメントで摂ろうとする人が多いですが、そもそも経口摂取したものは消化管を通る間に分解されるので、軟骨が再生する材料になる可能性は低いです。

 

タナ障害

生まれつき滑膜(関節の内側にある膜)のひだに異常があって、痛みを引き起こすのがタナ障害です。滑膜の一部が硬くなって断裂すると、それが関節にはさまったりして、痛みの原因になります。

滑膜ひだは、大腿骨と膝の皿の間にあり、足を動かすと擦れますが、それが刺激になって腫れて硬くなり、関節に引っかかりやすくなって断裂の原因になるのです。滑膜ひだは誰にでもあるのですが、全員が発症するわけではありません。

成長期にスポーツをしたり、膝に負担をかけると、痛みが出やすい傾向にあります。外科手術、この場合は関節鏡治療で根治します。

 

慢性関節リウマチ

膠原病の一種で、全身の関節に炎症を起こす病気です。免疫の異常による自己免疫疾患で、元々ある自分の身体の組織を、免疫機能が異物と誤認して攻撃してしまう病気です。

血液検査をすれば変形性膝関節症と区別出来ますが、ほとんどの場合、リウマチが進行すると変形性膝関節症を合併します。

 

骨壊死

膝関節の骨の一部が腐ってしまう病気です。壊死し、もろくなった骨組織が、関節ネズミと言われる剥がれた軟骨の欠片など(遊離体と言います)にぶつかると、崩れたり剥がれたりして、それが痛みを生じさせます。

二十年ほど前には年に二、三例しかなかったようですが、最近は増えて、年間十例以上あるそうです。骨が壊死するのは、骨細胞に血液が届かない為なのですが、原因は食生活の変化で、動物性脂肪やタンパク質を多く摂り過ぎて血管が硬化し、骨細胞に栄誉や酸素が十分に供給されなくなった為に生じるようです。

脳梗塞や動脈硬化の骨バージョンで、それが膝に起こっていると考えれば分かりやすいでしょう。症状はズキズキした痛みに、ゴリゴリという軋轢音があります。場合によっては、遊離体が関節に引っかかって、関節が動かしにくくなるロッキング現象が起こることもあります。

外科手術で遊離体を取り除き、壊死した骨を削って、ドリルで骨髄に穴を空けると骨に栄養が届き、骨が再生します。

 

いかがでしょう、リウマチはともかくとしても、過度な運動、過大な負担、食生活を含めた生活習慣などが、次々にダメージとして膝に蓄積されていきます。膝に溜まった水や遊離体などは、放置していても決してなくなりません。

特に遊離体などは、どんどん骨や靭帯、軟骨などにぶつかって次々に増やしていきます。湿布を当てたり鎮痛剤を飲んでも、関節内の大掃除をしないと痛みの原因はなくなりません。

逆に言えば、はっきりとした痛みが生じたら、自然に治癒することはないのです。皆さんもくれぐれも日頃の生活に気をつけて、身体を健康に保って下さい。病気や怪我に臆病なのは、決して恥ずかしいことではないのです。

まとめ

まだ若いのに膝が痛い時に原因の可能性がある病気には

・変形性膝関節症
・半月板損傷
・靭帯損傷
・膝関節水腫
・タナ障害
・慢性関節リウマチ
・骨壊死

などがあります。


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