膝が痛いは要注意!身体が発する4つの危険信号の見分け方

膝が痛いは要注意!身体が発する4つの危険信号の見分け方歳を重ねると、日常生活のあらゆる場面で、膝が痛いと感じることがあります。人間の体重を支える重要な部分であり、あらゆる動作を滑らかにする関節である膝が痛いということは、あなたの体が今までどおり動かない危険性を知らせる信号なのです。

年齢を重ねた今だからこそ、適度な運動で健康を維持しなければいけません。しかし、膝が痛いと、その適度な運動ができず、加速度的に健康でなくなっていくという、悪循環が始まってしまいます。もちろん、人によっては20代の年齢であっても、膝が危険信号を発信する場合があります。

若いうちから膝の痛みが悪化したら、適度な運動ができなくなり、あなたの健康をどんどん損なっていくでしょう。誰にとっても膝が痛いのは大病の前兆です。今回は膝が発する危険信号を種類別に4つお伝えします。

 

膝が痛いは要注意!
身体が発する4つの危険信号の見分け方

 

動かし始めると膝が痛い

膝が痛い原因で、最も多いのが「変形性膝関節症」です。この疾患は、膝の関節にある骨や軟骨が削れてしまい、削れた骨の欠片が関節周辺の組織を傷つけて炎症を起こすものです。骨や軟骨が削れて変形すると、膝の可動域が制限され、とくに立ったり座ったりするような、動作を開始するときに膝が痛いと感じます。

また、階段の上りより下りの時に痛くなることが多い、膝を動かせる範囲が明らかに狭まった、などの症状もよく見られます。加齢によって軟骨組織が削れていくことが最も一般的な原因ですが、若い人でも激しい運動や過酷な肉体労働、O脚の人などはこの変形性膝関節症になることがあります。

放置しすぎて骨や軟骨が削れ過ぎてしまうと、人工関節を手術で埋め込まないと、日常生活がおくれなくなってしまうので、膝が痛い、動かしにくいと感じたら、すぐに整形外科を受診してください。

 

膝が腫れて痛い、水がたまる

「水がたまって膝が痛い」とよく言われます。これは、膝の腫れや痛み、ひざのだるさを感じ、膝の皿を押した時にプヨプヨと浮いているような感じがしたり、何か入っているような異物感、といった症状を表しています。そして、このような症状に加えて、突然膝が痛いと感じたら、関節水腫の可能性が高いでしょう。

膝の関節内には関節液という透明の液体があり、この液体が潤滑油の働きをするおかげで、スムーズな膝の屈伸などができるようになっています。この関節液は膝関節の中にある滑膜という組織で作られているのですが、その滑膜組織が何らかの原因で傷つき、炎症を起こすと、関節液が異常に多く作られてしまうのです。これが関節水腫のメカニズムです。

滑膜が傷つく原因は、上述の変形性膝関節症の時のように、削れた骨や軟骨のカスが滑膜を傷つけると言われています。つまり加齢でも発症するし、怪我などでも発症します。また、関節液ではなく、血液が膝にたまって膝が痛いと感じることもあります。半月板損傷や靭帯損傷という怪我の内出血によって血がたまる場合です。

膝にたまっているのが関節液にしろ、血液にしろ、治療の第一段階は中の液体を抜かなければいけません。膝に関節液・血液をためたままにしておくと、その液中に炎症の原因物質が蓄積されて、急速に痛みが加速します。ちょっと怖いですが、膝に注射器をさして液体を抜く、「関節穿刺(かんせつせんし)」を病院でやってもらいましょう。

 

こわばる感じがして左右の膝が痛い、動かしにくい

左右両方の膝が痛い、動かしにくい、膝だけでなく他の関節も痛くて動かしにくい。この症状は関節リウマチが考えられます。この関節リウマチという病気は、実は原因不明の難病なのですが、苦しんでいる患者さんは大勢いらっしゃいます。

早めに薬を点滴でうってもらうなどの薬物療法を行わないと、あらゆる関節がこわばり、腫れて変形してしまう怖い病気です。関節リウマチは、本来、細菌やウイルスを退治する自分の体内の免疫システムが、なぜか自分の関節にある滑膜組織を攻撃してしまうことが原因の一つであることが分かっています。

50歳前後で発症する患者さんが多いですが、30代で発症する方もいますので、年齢だけでは判断できません。また、男性より女性に発症する人が多いことが特徴です。この病気の診断には血液検査とX線検査が必要となります。これらの設備がある病院で診断を受けましょう。

 

股関節、太もも、膝が痛い

膝が痛いだけでなく、股関節、お尻、太ももが痛いと感じる場合、股関節の異常の可能性と、血流が阻害されて組織が壊死している可能性もあります。股関節の異常で最も多いのが、変形性股関節症で、股関節の骨や軟骨がすり減ったり変形する疾患です。30歳代後半〜50歳代の人に多く、特に女性に多く見られます。

股関節もあらゆる動作に重要な役割を持つ関節ですから、放置すれば、痛みから足を引きずって歩くことになってしまいます。また、組織が壊死してしまう病気には、ペルテス病と大腿骨頭壊死があります。

ペルテス病とは、大腿骨の骨頭(ももの骨の股関節側の先端)へ血液が循環しなくなることで骨が壊死してしまう病気ですが、根本的な原因はわかっていません。この病気の特徴は、3〜12歳くらいの子どもに起きる病気で、特に5〜7歳の活発な男児に多く見られることです。

大腿骨の股関節側に異常をきたし、痛みを訴えるとともに股関節を自由に動かすことができなくなります。ところが3〜4年程度で自然に回復することが多いです。その回復の際に、関節部の骨が変形して再生されると、後々に前述の変形性股関節症になりやすくなってしまいます。

ペルテス病を大人になってから発症することを、大腿骨頭壊死と呼びます。これら2つの壊死の病気は原因不明のため、予防が難しいですが、回復時に正しい形に骨を再生させることが重要ですので、専門医の治療をしっかりと受けましょう。

 

膝が痛い時、その痛さの種類も様々で、原因の疾患も様々です。膝が痛いという症状だけを伝えても、医師は何の疾患か目星すら付けられないです。

あなたが言う「膝が痛い」とは、座るときに痛いのか、立っている時は平気だけど階段を降りる時だけ痛いのか、何をしていても寝ている時ですら痛いのか、といった詳細な情報を必ず付け加えて医師に伝えましょう。

また、痛いのは膝だけですか?腕や手の関節は痛みませんか?片方の関節だけか、それとも両方か?関節じゃない骨や筋肉は痛みますか?

今日お伝えした4つの痛み・違和感の特徴を参考にしながら、医師に伝えるべき情報をリストアップしてみましょう。まさしく膝が痛いのは身体が発する危険信号ですから、その信号は可能な限り正確に受け取りたいですよね。
 

今日のまとめ

タイプ別、膝に現れる危険信号

・立ったり座ったりという膝の動かし始めが痛い場合は、変形性膝関節症の可能性がある。
・膝に水がたまっているときは、関節水腫か怪我による内出血の可能性がある。
・こわばる感じがして左右の膝が痛い場合は、関節リウマチの可能性がある。
・膝、股関節、太ももなどが痛い時は、変形性股関節症かペルテス病などの可能性がある。


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