あざと言えば、一般に青あざを指しますが、専門的には、皮膚が変色している部分を総じてあざと言います。あざは、内出血だけではなく、皮膚の炎症や様々な病気によって引き起こされるので注意が必要です。
とはいえ、ほくろやそばかすのように病気とはまったく関係のないあざもありますね。問題はないのですが大きさや量によっては目立ちますので顔にあると特に女性にとっては気になるものです。あざはレーザーなどで治療しますが痛みもあるし、何より経済的に負担がかかります。
女性なら、ファンデーションでカバーする方法が勧められたりしますが、男性はそうもいかないでしょう。何より根本から治さなければ、いつまで経ってもあざは消えません。ここではあざの症状から病気を見抜く7つの原因を説明します。
あざと病気の関連は?
症状から見抜く7つの原因
青あざで一番多い「太田母斑」とは?
母斑、すなわち皮膚の奇形として、目の周りや頬にもっともよく現れるのが太田母斑です。内出血以外では、青あざでもっとも代表的な疾患なのですが、この太田母斑は、別名「眼上顎部褐青色母斑」と言われるものです。
同じような疾患で伊藤母斑というのもあり、こちらは肩から上腕部にかけて母斑が広がる病気です。太田母斑は男性より、女性の方が5倍以上の発症リスクがあり、「眼上顎部褐青色母斑」といわれるとおり、目のまわりからあごにかけて広がってみられるのが特徴です。
原因はメラニン色素が真皮に異常増殖するもので、遺伝性は関連付けられていませんが先天的な理由があるのではないかとされていて、明確に特定はされていません。生まれて間もなく現れることが多いのですが、思春期や成人になってから発症することもあります。
太田母斑は顔面に出来るので、治療はレーザーによるものが中心となりますが治療期間が長い上に、強いゴムで弾かれたような痛みが伴います。
ちょっとした刺激であざができる場合は、血小板減少性紫斑病!?
血小板減少性紫斑病とは、血液中の、血液凝固作用をもたらす血小板が減少する病気で、それにより青い痣や紫斑、出血などが症状として見られるものです。
原因は不明ですが、自己免疫疾患の一つと考えられていて、自身の免疫機能が異常をきたし、血小板を異物として攻撃して減少し、血小板の役割である血液凝固作用が低下した場合に生じます。
成人では、症状が徐々に出てくる慢性型がほとんどで、男性よりも女性の方が、3倍ほど発症リスクが高く、20代~50代によく見られます。血小板減少性紫斑病は少しの刺激だけでも青あざが出来てしまう事があります。
立ち上がる時、床に手を付いただけで、手のひらに青あざが出来るなど、考えられないレベルでの、わずかな刺激で生じてしまいます。
この血小板がほとんど無くなってしまうと、わずかな出血でも大量出血に繋がってしまい、最悪の場合は死に直結することもある非常に怖い病気で難病(特定疾患)に指定されています。
赤あざの場合は、血管腫!?
血管腫とは、真皮の毛細血管が異常増殖する疾患で、良性腫瘍にあたります。血液中の赤血球が肌から透けて見える為に赤く見えます。基本的に、生まれた後にできて広がっていくものを呼びます。
逆に生まれる前からの物は血管奇形と呼ばれています。大きさも様々でまず自然に消失することはありません。
黒あざは、色素性母斑!?
黒いあざは、色素性母斑と呼ばれるもので、あざの症状の中でも多く見られるます。健康な人でも最低2~3個は体のどこかに存在し、平均すると、15個程もあると言われています。
生まれた時から既に出来ている場合は先天性母斑、生後から出来るものを後天性母斑と呼び、区別されます。この色素性母斑は俗にいう『黒子(ほくろ)』とよばれているもので、害はありません。
茶あざは、扁平母斑!?
茶色い母斑の代表的なものはそばかすで雀卵斑という名前がついています。スズメの卵の模様に似ていることからこの名前が着いたようです。比較的白人に多くみられますが日本人にもそばかすでお悩みの人は多いですね。遺伝によるものが多数を占めています。
薬や化粧品、石鹸などそばかすを目立たなくさせるものも出ていますが個人差があります。そばかすは紫外線にあたるのがいちばんよくないのでお天気の良い日に外出するときは帽子やサングラスなどで予防しましょう。
白あざは、白斑!?
白色のあざは滅多にないのですが、メラニン色素に関わる酵素が不全または欠損している白皮症(アルビノ)を除けば、白斑と呼ばれる疾患です。
白斑とは、メラニン色素を産生するメラノサイトという細胞がなくなることによって引き起こされる後天性の疾患で、人口の約1%に見られると言われています。乳幼児から高齢者まで、年齢に拘らず現れ、男女による発症リスクに差はありません。
自己免疫異常説、神経因子分泌異常説などが原因として主張されていますが、未だ原因は不明確です。確立された治療法はなく、ステロイド剤による外用療法や、紫外線療法(PUVA療法やナローバンドUVB療法など)がされますが、白斑には十分な効果が現れにくいと言われています。
その為、医療現場では、メーキャップ化粧品やセルフタンニング剤(ジヒドロキシアセトン配合化粧品)などでの白斑のカバーが勧められています。
ただ、ジヒドロキシアセトンは、角層のタンパク質と共有結合することで淡黄色に発色するのですが、一度着色すると約4日~6日は着色が持続して、簡単に洗い落とすことが出来ず、着色し過ぎると却って目立つ場合もあります。
気づかない内に出来た青あざは、白血病の可能性も
白血病は、良く知られている通り、主に白血球が異常に増殖し続ける病気で「血液のがん」と言われています。原因不明の病気で過去にこの病気で亡くなった有名人もいますね。症状としては貧血、めまい、動悸、息切れや発熱、出血症状等があります。
そして、知らない内に、手や足などに青いあざが出来ていることがあります。特にどこかにぶつけた覚えもないのに、色目の濃い、割りとしっかりとした青あざがある場合や、何日何週間経っても治りにくい場合、また、青あざが複数以上に増えてきている場合は要注意です。
いかがでしたか。たかがあざと言っても、皮膚の奇形だったり血液の異常だったりと、原因は様々です。また、特に顔などに出来たあざは、女性にとっては気が重い事でしょう。
額に親指ほどの大きさの白斑が出来た女性のケースもあり、ファンデーションなどでも前述の通りなかなかカバーが難しい時もあります。根本から原因を探り、早期治療をお薦めします。何事も甘く見ず、疾患や症状については臆病過ぎるということは無い、と思うことが大事ですよね。
まとめ
あざと病気の関連は?症状から見抜く7つの原因
・青あざで一番多い「太田母斑」とは?
・ちょっとした刺激であざができる場合は、血小板減少性紫斑病!?
・赤あざの場合は、血管腫!?
・黒あざは、色素性母斑!?
・茶あざは、扁平母斑!?
・白あざは、白斑!?
・気づかない内に出来た青あざは、白血病の可能性も