皆さんは突き指をしたらどのように対処対処すればよいのかお分かりでしょうか。「突き指なんてほっとけば治る」と思っている方や、それとは逆に「病院に行って治療してもらったほうがいい」という方もいますよね。なぜ人によってこんなに対応が違うのでしょうか。それは多くの人が突き指を一度は経験したことがあり、その時の自身の対処方法や症状が違ったからと考えられます。
ほっとけばよいと言った人は、軽く済みすぐに治ったのかもしれませんし、病院を薦めた人は重度の突き指だったのかもしれません。しかし突き指を甘く見ていたら後々になって後悔をすることになる可能性もあります。
そこで今日は突き指をしたら早く治療をしたほうがよい理由と、放置すると出てくる怖い症状についてお伝えします。ではご覧ください。
突き指したら早く治療を!
放置すると出てくる恐い症状
突き指とはなんでしょう
先ほどから申している突き指ですがどのような状態の事をいうのかお分かりですか。突き指とは運動や作業をしている際に指の先に力が加わって指の靭帯を傷つけたり、関節がねじれたり、過伸展といって過度に伸ばされて生じる捻挫などの事をいいます。
突き指をしたらその指を引っ張る方もいるかと思いますが、絶対にしないでください。引っ張ることで逆に損傷を強めてしまう可能性も考えられます。
突き指をしたら安静にしてその指の状態を見てください。そして、明らかに指が変形していたり、不自然な方向に動いたり、指の関節を曲げることができないような状態でしたら靭帯断裂や骨折の可能性もあるのですぐに病院へ行きましょう。放置してしまうと後遺症が残ってしまうこともあります。
突き指にはどのようなものがあるのか
ドアに指を挟んだりした時によく見られ、爪の下に稀有液が溜まってしまい青黒く変色してしまうことを爪下血腫といいます。指の先(爪の下)は敏感なために少しの出血でも激痛に感じることが多いです。また、爪の下の骨が骨折していることもあるので、痛みが激しい場合には受診が必要になります。次に掌側板損傷も比較的多いです。
これは掌側板という第二関節についている軟骨の損傷です。重たいボールによって指が過伸展してしまったときに生じることがあります。この場合は小さな剥離骨折を伴うこともありますが、放置されやすい突き指です。しっかりとした治療をしないと指が十分に曲がらなくなるなどの後遺症が残ることもあります。
他にもある突き指の症状は
槌指は槌のように第一関節が曲がってしまった状態の事を言います。これには骨折を伴うものと、骨折を伴わなずに腱が切れてしまうものがあります。骨折を伴うものでは手術が必要になる場合もあります。
また腱が切れてしまったものは治癒に時間がかかることがあります。突き指後に第一関節が伸びきらない場合にはこの槌指の可能性が考えられます。
次は側副靭帯損傷です。関節が本来の方向意外に動いてしまわないようにしている靭帯が損傷してしまう状態です。ほとんどが第二関節の損傷になります。親指側の靭帯がしっかりと治癒しないと物をつかむときに痛みが残ったりしてしまいます。突き指の代表的な症例です。
突き指をしたときの対処法
様々な突き指について説明してきましたが、実際に突き指をしてしまったらどのようにすればよいのでしょうか。ここでちゃんと対処したかどうかで治癒の時間も変わってきてしまいます。突き指をしたらまず冷やします。袋に氷水を入れたものやシップ、もしそれらが用意できない場合には濡れタオルでも構いません。
次に固定です。ダンボールや木の板など固いものを添え木にして固定します。昔は引っ張ってなおすと言われていましたが逆効果なので絶対にしないでください。またテーピングも良いのですが、間違ったやり方で固定してしまうと変な形になってしまう可能性もあるので注意してください。
その後、なるべく安静を保ちながらなるべく早めに医療機関へと受診するようにしましょう。
突き指を放置していたら
突き指なんて大したことではないなどと言ってそのまま何しないで放置していたらどうなるのでしょうか。軽度の突き指でしたらそのまま放置していても治癒します。
しかし、剥離骨折をしていたなどの重度の突き指だった場合にはどうなってしまうのでしょうか。剥離骨折を放置していたままにしておけば、突き指をしてから2週間ぐらいで骨がはがれた状態で中途半端にくっつきだします。
そのような状態になったら痛みが続いたまま、指が元通りに曲がらなくなってしまうなどの後遺症が残ってしまうことがあります。その場合は剥離骨折した部分が異常なまま、肉や骨が再生されてしまっているので、それらのものを取り除くために手術をしなくてはならなくなります。
突き指はくせになるのか
突き指はくせになると聞いたことがあるかと思いますが本当でしょうか。実は突き指自体が癖になるのではなくて、関節を固定している靭帯が緩くなるために何度も繰り返してしまうのです。靭帯の組織は繰り返し伸ばしてしまうと再生が追い付かなくなってしまいます。そのために突き指がしやすい関節に変化していってしまう可能性があるのです。
それに突き指は球技をしている人にとっては身近なケガであるために、放置されがちになってしまっているのが現状です。自己判断で治療途中であるにも関わらず中断してしまうことも多いようです。そのような場合には患部が変形したまま固まってしまったり、関節が曲がらなくなってしまい、同じような突き指を繰り返してしまいます。
突き指の後遺症とは
突き指に後遺症ってあるのでしょうか。突き指は軽く見られがちですが、応急処置を怠ったり間違った方法をしていた場合や、そのまま競技を継続してしまったり、医療機関で治療をしていたが自己判断で治療を中止してしまったなどの場合に後遺症がのこることもあります。
多く見られる後遺症は指の変形です。指の形が関節部分が太くなってしまっていたり、指の関節の可動範囲が狭くなってしまったり、もしくは関節が曲がりにくくなってしまうなどです。指の関節の変形は、関節内に炎症をもたらして他の疾患へと移行してしまう場合もありますので注意が必要です。
いかがでしょう、例えば球技をやっている方にとって突き指は一番身近なケガの一つかもしれません。そのためについつい軽視してしまっていることもあるかと思います。しかし適切な処置を行わず、その後のケアも不十分だと指の変形などの怖い症状が残ってしまう可能性もあります。
球技などの競技をする方は突き指に関しての正しい知識を持ち、いざというときに適切な処置ができるようにシップや固定する添え木などをあらかじめ準備しておきましょう。そして、突き指をしてしまったらたとえ痛みなどが軽くても骨折などの重傷である可能性を考えて医療機関で専門家に見てもらうようにしましょう。
まとめ
突き指の治療と症状について
・突き指とは指の靭帯を傷つけたり、関節がねじれたり、過度に伸ばされて生じる捻挫のようなもの
・突き指をしたときには、まず冷やして、次に固定しましょう
・軽度の突き指でしたらそのまま放置していても治癒してしまう
・突き指は、関節を固定している靭帯が緩くなるために何度も繰り返すようになってしまう
・突き指の後遺症に多く見られるのは指の変形や、指の関節の可動範囲が狭くなってしまう事