鎖骨骨折で手術したくない!折れた場所による処置と治療法

鎖骨骨折で手術したくない!折れた場所による処置と治療法

鎖骨は人間の身体と腕を結合させる非常に重要な骨格です。鎖骨骨折は交通事故やスポーツ外傷で起こります。好発年齢は新生児から高齢者まで、男女の発症率に差はありません。誰でも起こる怪我です。

鎖骨を骨折してしまうと、受傷直後から激しい痛みと熱感、運動障害が起こります。鎖骨骨折の治療は外来通院による保存的療法と入院を伴う手術療法があり骨折部位、骨折の程度などによりどちらかを選ぶのですが、どうしても手術をしたくない。入院もしたくない。そんな時はどうしたらよいのでしょうか?

どうしても手術を避けられない場合もあるのですが、今回は鎖骨骨折で手術したくない!折れた場所による処置と治療法についてお伝えします。



 

鎖骨骨折で手術したくない!
折れた場所による処置と治療法

 

近位端骨折の時は保存的治療の効果が高い


近位端とは左右二つある鎖骨の心臓に近い端の場所をいいます。この部位はより心臓に近いという事ですぐ近くを太い血管が走っていて、重要な神経も太い血管に沿って走っている為あまり手術には向かない部位です。

治療は整復後バンドで鎖骨が動かないように固定をします。骨折部位周辺の組織の損傷がひどくないときを除いて保存的治療の効果が高いです。

 

骨幹部骨膜を損傷していない場合はギブスまたはバンドで固定をする


骨は中心から骨髄、骨質、骨膜で出来ています。通常骨折をしたというのは骨質に亀裂や損傷が起きた時をさします。骨膜は骨の生成に非常に関係が深く骨折した時に保存的治療で良いのか?手術療法が良いのか?検討する一つの要素になります。

骨膜を損傷していない鎖骨骨折は整復後バンドやギブスで固定をします。ギブスの固定は骨幹部の場合怪我をしている方の腕も固定されますが、反対側の腕は動かす事が出来ます。

 

骨幹部骨膜を損傷している場合はギブス固定をする


骨の再生に役立つ骨膜が損傷していると骨折の回復が遅れるだけでなく、受傷直後から激しい痛みを感じます。骨質は主にリン酸カルシウムで出来ていて神経がありません。

骨膜には神経細胞も含まれるので損傷すると激しい痛みを感じます。整復の際、強い痛みを伴うため局所麻酔を使う事があります。固定後2~4週間痛みがある時は鎮痛剤の内服もします。

 

骨幹部骨折部位の転位がない時はバンドで固定をする


鎖骨骨折で骨幹部が折れた時折れた断面がずれていない時は固定のためバンドで固定します。骨折部位をレントゲン写真で見ると骨にスジがはいっているだけなので安静にできればそのままでも良いのですが、骨折部位がずれたり再骨折を起こす危険があるので容易に着脱できるバンドで固定をします。

 

骨幹部骨折部位の転位がある時はギブス固定をする


骨幹部の骨折部位がずれてしまった時はギブスで固定します。骨折部位をレントゲン写真で見ると骨折面が互い違いになっていて、自分の鎖骨を鏡でみてもずれている事がわかります。骨そのものに段差が出来てしまわないように整復後しっかりとギブスで固定します。

回復までに時間を要し、くっついても変形し偽関節を作ってしまう事があります。治療中に再骨折した時、治癒が進まない時は手術療法を再検討する事もあります。

 

遠位端骨折で靭帯の損傷がない時はギブス固定する


遠位端は肩との結合部なので整復後しっかり固定します。靭帯への損傷がない為骨折後に脱臼を起こす確率は少ないのですが、痛みも少ないので無理してしまう心配があります。単なる脱臼と間違われる事もあります。(病院でレントゲンをとれがすぐにわかります)

固定中は怪我をした方はほとんど動かす事が出来ず、日常生活に支障が出てしまいます。治療後も筋力の低下があるので長い期間リハビリを要する事があります。

 

遠位端骨折で靭帯の損傷がある時はギブス固定する


肩と鎖骨の結合部には神経や太い血管も流れています。神経や血管の損傷がある時は生命の危機的状態でもあるので選択の余地なく手術療法をする事もありますが、神経や血管に損傷がなく、骨折と靭帯の損傷がある時は上腕から胸部にかけてギブス固定をした後、怪我をした方の腕が動かないように三角布やバンドで固定をします。

靭帯の損傷がない時よりも治療に時間がかかるので治療中の不自由な期間は長くなります。でも、ずっと動かせないわけではなく、靭帯の回復具合によって徐々に固定は少なくなります。

 

鎖骨骨折の治療は基本的に保存療法を選択します。なぜなら、手術をすると麻酔や手術による傷を作るので身体への負担となってしまうからです。手術療法がすすめられる時には生命に危険がある、より早期の回復を希望する、整復後も骨折部位の変形が修正できず変形や再骨折の危険がある時となります。

保存療法の期間中に多くの怪我をした人を悩ませるのが痛みと反比例して出現する皮膚のかゆみです。痛い時は鎮痛剤がありますが、ギブス固定をしてかゆみがある時はかゆみ止めを処方される事はありません。出来る事といえばアイスノンで冷やす。

かけるところまで自分でかく(無理にかこうとして無理な体勢をとろうとして固定がずれてしまう事があります。孫の手などをつかって無理な姿勢をとる事のないようにしましょう)、汗を出来るだけ書かないように安静にしている位なのです。

鎖骨骨折をして治療をどうするか決めるのは最終的に自分自身ですが、診察してくれた先生とよく話し合って決める事が一番です。お大事にして下さい。

 

まとめ

鎖骨骨折で手術したくない!折れた場所による処置と治療法

・近位端骨折の時は保存的治療の効果が高い
・骨幹部骨膜を損傷していない場合はギブスまたはバンドで固定をする
・骨幹部骨膜を損傷している場合はギブス固定をする
・骨幹部骨折部位の転位がない時はバンドで固定をする
・骨幹部骨折部位の転位がある時はギブス固定をする
・遠位端骨折で靭帯の損傷がある時はギブス固定する
・遠位端骨折で靭帯の損傷がある時はギブス固定する