パソコンなどのデスクワークに従事している人の間で、手首が痛む症状に悩まされている方が急増しています。そこで手首の痛みから連想される病気や、その原因や緩和方法についてまとめてみました。
手首が痛むとデスクワークにはとても支障が出るため、なるべく早くにつらい症状をなんとかしたいところでしょう。手首の痛みに効くストレッチ法や体操についてもまとめてみましたので、なるべく早くに実践して、症状改善に努めましょう。
手首の痛み具合から疑うべき
疾患と緩和させる方法
手首の痛みは腱鞘炎!?
手首の痛みから、まず誰しもが真っ先に連想する病気が「腱鞘炎」ではないでしょうか。
手首や腕などの筋肉を使いすぎて、筋肉やその周りに炎症が起き、痛みを伴う症状が「腱鞘炎」です。腱鞘炎の場合は、安静にすることが症状緩和の必須条件のため、まずは安静にして痛みが治まるのを待ちましょう。
「おそらく腱鞘炎だろう。」と素人判断で決めてかかるのは危険です。重傷な病気が隠れている可能性もゼロではないため、手首に痛みがあるときは必ず受診しましょう。
女性に多いド・ケルバン病
腱鞘炎の中でも、手首の母指(親指)側に炎症が起きるものを「ドケルバン病」と言います。腱鞘炎の中でも特に区別される理由は、この病気が更年期や妊娠中の女性に多くあらわれる病気だからです。
原因は妊娠や更年期とともに、パソコン操作も多く挙げられます。母指の使い過ぎに心当たりのある方は、ドケルバン病に注意しましょう。緩和法は「安静」が第一ですが、医師によってはステロイド系の注射を患部にすることもあります。
注射をすれば手首の痛みはすぐに緩和しますが、かといって治ったわけではないので完治するまでは安静を心がけてください。
手根管症候群とは
人差し指、中指、薬指の3本にしびれが生じる手根管症候群という病気があります。最終的には3本の指のしびれが病気の症状なのですが、そこに至るまでに手首や親指の付け根が痛む症状があります。
妊娠・出産期や更年期の女性に多い病気で、明け方に手首や指に痛みやしびれ症状が起こります。手首をぶらぶらとすることで痛みが緩和します。飲み薬やシップなどの痛み緩和の処方に加え、ステロイド系の注射などの処置を施される場合があります。
腫瘤などが原因で手根管症候群になった場合は、腫瘤を取り除くための切開手術をする場合もあります。
リウマチで手首が痛む
関節の痛みで連想する病気で多いものが、「腱鞘炎」と「リウマチ」です。リウマチに苦しむ人は年々増加傾向にあるのですが、リウマチの原因はいまだにはっきりとは解明されていません。
関節内の炎症によって痛みが生じ、骨に変形が見られることがリウマチの特徴です。リウマチで手首が痛むときは、必ず医師に受診しましょう。リウマチの治療は長くかかるかもしれませんが、痛みと上手に付き合っていきましょう。
痛みの治癒に一番効くのは…
手首の痛みに一番効くのは「安静」にすることです。明け方に手首や手の指が痛む症状が多いのですが、無理にストレッチなどを行うと悪化する恐れがあるため、必ず医師などにストレッチ方法を聞いてから行うようにしましょう。
何よりもまず安静にすることで、痛む部位の炎症をそれ以上悪化させないようにするべきです。さらに、シップや氷嚢などで冷やしたうえで安静にすることも、炎症を抑えて痛みの緩和につながるため、おすすめです。
お風呂で伸縮ストレッチ
手首が痛むときは、手首の部位に炎症が起きている可能性が高いです。医師に相談することをお勧めしますが、その際に、痛んだ時のストレッチ法などを聞くようにしましょう。
ストレッチは、痛むときに行うこともありますが、お風呂などで患部をよく温めて、筋肉の収縮を良くした状態で行うと効果的です。むしろ、痛むときは炎症部位の悪化防止のために安静が第一ですが、痛みがないときにはストレッチなどで血行を良くするといいでしょう。
お風呂は血行改善のためにも最適のストレッチ場となります。
骨盤のゆがみを治すだけで…
手首の痛みや肩の痛みなど、上半身に何らかの痛み症状が現れた場合に、通常ならその部位の異常を疑います。しかし人間の体は不思議なもので、遠く離れた場所に欠陥が、別の部位に「痛み」として出たりすることもしばしばあります。
脳に異常があるのに足の指がしびれたりするなど、一見してはわからない場所の疾患があるのです。同じように、手首や首肩の痛みに深く関係しているのが「骨盤」です。骨盤が歪んでいると上半身の姿勢が悪くなり、首や肩や腕が不自然な姿勢を強いられ、コリなどの痛みにつながるのです。
原因不明のままに、繰り返し手首の痛みなどの症状がみられる場合、手首やその周りの部位だけでなく、骨盤のゆがみを解消するような全身ストレッチをすることをお勧めします。骨盤のゆがみを治すことで、手首の痛みを解消することができる場合もあるからです。
さて、手首の痛みから疑うべき疾患と緩和法について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。手首の痛みは日常生活やパソコンなどのデスクワークに多大な支障をきたすため、なるべくすぐに症状の改善をしたいところですよね。
「安静第一」とわかっていても、仕事の延期が難しい場合などは無理をしてしまう人も多いようです。痛みを放置せずに医師に診てもらい、「仕事を続ける方法」についてきちんと指示を仰ぎましょう。
冷シップやサポーターなど、炎症部位を守りながら、仕事を続ける方法もなくはありません。しかし何よりも、痛みが長引かないように、きちんと完治させることを一番の目標としてください。
まとめ
手首の痛み具合から疑うべき疾患と緩和させる方法
・手首の痛みは腱鞘炎!?
・女性に多いド・ケルバン病
・手根管症候群とは
・リウマチで手首が痛む
・痛みの治癒に一番効くのは…(安静
・お風呂で伸縮ストレッチ
・骨盤のゆがみを治すだけで…