不快な耳鳴りの原因を突き止めて症状を和らげる7つの方法

つい最近まで耳鳴りの治療は難しいと言われていました。自分にしか聞こえない「キーン」や「ピー」という音に苦しみ、耳鼻科へ行っても異常が無いとしか言われない。心理的なものだからと言われても、実際に聞こえ続けていて、ますますストレスはたまる一方。こんな悩みを持つ耳鳴りの被害者は全国に300万人いると言われています。

しかし、耳鳴りという症状(結果)には必ず原因があり、治療の難易度に差はありますが、原因さえ明確になれば完治の道は開けます。音というのは空気の振動です。その振動を鼓膜の内側で電気信号に変換し、それが脳に届くことで、人間は「音が聞こえる」と認識します。

しかし耳鳴りは他人には聞こえませんから、「音」ではありません。つまり鼓膜の内側の体内に生じた何かしらの異常が、電気信号を狂わせて音のような錯覚を作ってしまっていることが、耳鳴りの正体です。

また、耳鳴りの症状がある人には難聴の症状もあることがほとんどですから、耳鳴り治療には、聴覚に関係する器官全体の異常を検査することが必要です。

そこで今回は耳鳴りの原因を探る7つのきっかけをご紹介しますので、耳鳴りに悩んでいる方は、1つ1つ、自分に当てはめてみて、原因と治療法の発見の参考にしてください。

 

不快な耳鳴りの原因を突き止めて
症状を和らげる7つの方法

 

加齢によって耳が遠くなっていないか調べる

一般的に50歳前後で、人間は耳が遠くなる、つまり聴力が低下すると言われています。側頭部には蝸牛という器官があります。この蝸牛には有毛細胞という細胞が並んでいて、この有毛細胞が空気振動(音)を電気信号に変換しています。しかし、加齢とともに有毛細胞は減少したり、敏感に機能しなくなります。これが加齢で耳が遠くなる原因なのです。

もちろん30代・40代の人でも耳が遠くなる人はいます。さて、その有毛細胞の老化によって電気信号が少なくなってしまうと、信号の受け手の脳は、信号受信の感度を上げようとします。

しかし、感度を上げると聴覚とは関係のない電気信号まで拾ってしまうのです。脳内には視覚・触覚・臭覚・味覚・筋肉を動かす指令などなど、様々な電気信号であふれています。これらを聴覚だと錯覚して受信してしまうと、ノイズとしか認識できません。これが耳鳴りとして聞こえるのです。

この耳鳴りを解消するには、聴力を上げることです。つまり、補聴器を装着すればこの問題は解決します。

耳が遠くなって余計な音が聞こえるのは皮肉なことですが、原因と原理がはっきりすれば、解決は簡単です。「外部からの空気振動」だけを脳に信号として届ければ良いのです。補聴器販売店を紹介してくれる耳鼻科を受診しましょう。

 

耳の病気を耳鼻科で調べる

耳は実に複雑な構造をして脳へつながっています。外耳、中耳、内耳、鼓膜など、それぞれの器官が音を聴神経に伝えるために、それぞれの役割を持っています。これらの器官の1つが炎症でも起こしていたら、脳に届けられる信号が乱れて、耳鳴りを発生させるでしょう。

耳の痛みや発熱があったら、感染症による耳の炎症を疑ってください。中耳炎や内耳炎などです。これらは耳鼻科で検査し、抗生物質などの投薬治療で完治します。耳が正常な機能を取り戻せば、耳鳴りは消えます。

 

突然の耳鳴りとめまいを感じたら

ある時から突然耳鳴りが聞こえ出し、激しいめまいを経験したら、メニエール病や外リンパ瘻という病気を疑うべきです。内耳という側頭部にある器官は、リンパ液で満たされていて、そのリンパ液が音の空気振動を伝達する働きをしています。

しかし、そのリンパ液に水腫や異常な動きがあると、耳鳴りやめまいを発生させます。これらをメニエール病や外リンパ瘻と呼びます。メニエール病は国で指定されている難病ですが、早期治療で治癒する確率が高くなります。すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。

また、突発性難聴という診断をしばしば耳にしますが、この突発性難聴の定義の一つが「原因不明であること」なのです。つまり、突発性難聴という診断を受けても、何も前進していないことを知っておいてください。

現在では、突発性難聴はウイルス感染による目立たない中耳炎が原因であることが有力視されていて、ステロイドなどの抗炎症剤で治ることがとても多いです。「突発性難聴」は医師が判断できない時に使う用語だと思って、必要以上の不安を感じないでください。

 

頭蓋骨の骨折またはゆがみ

耳鳴りに気づく前に、頭を強く打ったことはありませんでしたか?頭蓋骨に骨折やヒビ、またはゆがみがあることで、聴神経の電気信号が乱れることがあります。心当たりがあれば、整形外科等でレントゲン写真をとり、外傷を治すことが先決です。

 

脈拍と同調する耳鳴り

耳鳴りが脈拍と同調して聞こえる場合、腫瘍や血管に異常があることがあります。脳内の腫瘍や血管だけでなく、全身にある動脈などの太い血管に以上がないか、狭心症、大動脈解離、脳出血などを検査するのが良いでしょう。総合病院の脳外科・循環器科などで検査することができます。

 

心療内科で心理的ストレスを調べる

ここまでで、耳、骨、血管などに異常がなかったとしたら、最後に電気信号の受け手である脳の働きが正常かどうか確かめる必要があります。脳が電気信号を受信して「音」を認識していますが、一方で、「聞きたくないこと」「聞いてはいけないこと」などを脳が排除したいために、信号受信の感度を狂わせている可能性があります。

カクテルパーティー効果という言葉があり、この言葉はパーティー会場などで多くの話し声があっても、聞くべき情報だけを選択して、聴き取ることができるという人間の能力を説明するものです。情報を選択して聴き取れるならば、選択して聴き取らないことも人間は自然とできます。

もし、日常生活がストレスだらけであれば、脳は常に情報を減らそうとするでしょう。この作用が耳鳴りとして現れます。原因は日常のストレスです。

なにがストレスなのか、そのストレスにどう対処すればよいのか、心療内科を受診して医師に相談してみましょう。この時に重要なのは、ストレスが耳鳴りの原因だと自覚することです。

集中すべきは原因のストレスを解消して耳鳴りを治すこと。逆に、耳鳴りがストレスの原因になって、結果、さらに耳鳴りが悪化するのであれば、堂々巡りでいつまで経っても解決しません。そして「自分は心療内科で適切な治療を行っている」と強く信じることです。そうすれば、ストレスが原因の耳鳴りは必ず治る、と心から思えます。

 

薬を飲んで耳鳴りが始まっていたら

主に内耳の機能に障害を与える薬が存在することが知られています。抗生物質や抗腫瘍薬、利尿剤などで耳鳴りや難聴がおきる可能性がありますので、耳鳴りに気づいた以前に、薬を服用していた方は、何の薬を飲んでいたかを医師に報告しましょう。

そして薬が原因と考えられる場合は、体にあっていない薬ということで、別の薬にするように治療方針を変更しましょう。

 

本当に長い間、耳鳴りは原因不明だとか、不治だとか言われてきました。特に耳鼻科を受診したのに、中耳炎や内耳炎といった病気が見られない場合の耳鳴りは、一足飛びに「心の問題」とされる傾向がありました。

「心の問題」とされた耳鳴りは、医学用語で「機能性難聴」と呼びますが、この別名は「ヒステリー性難聴」です。筆者は、この乱暴とも言える診断名が耳鳴りに悩む人々をより不安に、孤独にさせたと考えています。

しかし時代は進みました。耳鳴りには必ず原因となる病気があります。その病気は耳鼻科だけで発見できるものではなく、整形外科、脳外科、循環器科、心療内科など、複数の診療科で診断されないと見つからない病気です。

どうか「耳鳴りのせいでよりストレスを感じる」という悪循環におちいらないように、上記のリストで原因に目星をつけて、適切な治療を一歩一歩受けていってください。

 

今日のまとめ

耳鳴りになったら以下を注意、チェックしましょう

・聴力低下による耳鳴りは、補聴器を装着し、聴力アップで治ります
・中耳炎や内耳炎による耳鳴りは耳鼻科で治療すれば治ります
・突然の耳鳴りはメニエール病などの疑いがあるので、耳鼻科で治療しましょう
・頭を強打したことがあれば頭蓋骨折などが耳鳴りの原因かもしれません
・脈拍と同調する耳鳴りは腫瘍などの可能性、循環器科で検査しましょう
・上記に当てはまらなければストレスが原因の可能性があるので、心療内科へ
・耳鳴りより以前から薬を常用していたら、副作用を疑いましょう


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