魔女の宅急便に隠された9つの都市伝説

魔女の宅急便に隠された9つの都市伝説
荒井由実の名曲でも知られる、宮﨑駿監督の代表作、「魔女の宅急便」。魔女と普通の人間の間に生まれた少女キキが、魔女として生きることを決意し、魔女の住んでいない町で独り立ちするため、相棒の黒猫ジジと共に、「魔女の宅急便」を開業して、成長していく姿を描いた作品ですよね。

原作は、角野栄子さんの同タイトルの児童文学で、英語や中国、イタリア語やスウェーデン語などにも翻訳されています。小芝風花主演で実写映画化されましたが、こちらはアニメ版のリメイクではなく、原作の一巻と二巻の実写化です。実は、アニメ映画は宮崎駿監督の企画ではなく、風土舎がぜひ宮崎駿さん(か、高畑勲さん)を監督にして原作のアニメ化を、ということで企画を持ち込んだ作品です。

さて、そんな宮﨑駿監督のアニメ映画「魔女の宅急便」にも、他のジブリ作品同様、数々の謎が散りばめられています。

そこで今回は、「魔女の宅急便」に隠された9つの都市伝説についてお伝えします。ではご覧ください。

 


魔女の宅急便に隠された9つの都市伝説

 

タイトルの謎

皆さんお馴染みの、「魔女の宅急便」というタイトルですが、実はこれに問題が。というのも、「宅急便」というのはヤマト運輸の商標で、一般名詞は宅配便。ちょうど、ステープラーをホッチキスと言っているようなものなんです。

実は、原作者も含めて、関係者はそのことを知らなくて「魔女の宅急便」というタイトルで既に宣伝費を使っていて、詳細を知った時に大慌て。ヤマトからの一報は公開の一週間前で、しかも「『宅急便』の使用は弊社としては承服しかねる」という強いもの。びっくりしたジブリでは深夜まで会議を行ったとか。

結局、ヤマト運輸との間で契約が結ばれ、ヤマト運輸がメインスポンサーになることで一件落着。「魔女の宅急便」の画像をヤマト側が自由に使える事にもなったとか。ちなみに、実写版「魔女の宅急便」が公開された時は、ヤマトの社員には映画割引券が配られたそうです。また、ヤマトの社員送迎用のバスは通称「猫バス」と呼ばれているようです。

 

幻のポスター案

さて、「魔女の宅急便」のポスターと言えば、誰もが知っている、主人公のキキがパン屋の店番をしている、有名な絵。しかし、この案に決まるまでに当然いくつか没案があって、その内の一つが、ちょっと変わっているんです。それは、「トイレに座って物思いにふけるキキ」というもの。

「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」などで幻想色を出していて、「宮崎アニメのキャラクターはトイレに行かない」というような評判があるのを気にしていたためかどうかは分かりませんが、思春期を描きたいと考えた宮崎監督が出した案でした。しかし、招く誤解が大きすぎるという事で没。そりゃそうです。

ちなみに、この案のトイレは当然洋式です。没になって本当に良かったですね。
それで、「やっぱり少女らしさを描くべき」という話になり、監督が三十秒でラフを描いたのが、ポスターになった、「店番のキキ」だったわけです。

 

ハイジとおじいさんが共演している?

ジブリ作品には色々ないたずらがあります。「魔女の宅急便」では、キキが新しい町に旅立つシーンでいたずらが。この時、キキが友達と一緒に五人で円をつくって話している場面なのですが、その後ろに、顔の下半分しか映ってない、赤い服の女の子(?)と、茶色いズボンの男性の下半身の姿があります。

笑っているような女の子の服装は、「アルプスの少女ハイジ」のハイジそっくり。茶色いズボンはおじいさんの服装に似ています。ハイジたちとの夢の共演と言ったところでしょうか。

 

「紅の豚」と世界が同じ?

後に公開された、魔法で豚になった飛行機乗りが主人公の「紅の豚」。実は、「魔女の宅急便」は、「紅の豚」の後の話だとか。「魔女の宅急便」に出てくる家政婦と、「紅の豚」に出てくるヒロインのフィオが親戚とのこと。家政婦はキキの姿を見て「本当、ひい婆ちゃんの言ってた通りだわ」と言います。

では、「紅の豚」ではと言うと、フィオの祖父が一族の三老婆を紹介する時に、その一人が家政婦そっくりで、「ひ孫に小遣いあげたくてねぇウヘヘヘ」と言います。両方の世界とも、ヨーロッパ風で魔法に寛容な社会。果たして…? というところでしょうか。ちなみに、フィオの子孫がトンボという都市伝説もあるのですが、フィオの苗字はピッコロ、トンボの苗字はコポリで、可能性は薄そうです。

 

黒猫のジジが話せなくなるのはどうして?

これは、ずばりキキが成長した為。キキが、ジジの言葉を理解出来なくなったんです。大人への第一歩というところでしょうか。実は、原作にはジジが話せなくなるシーンはなくて、「少し大人になったキキが、一人でたくましく生きていく…」みたいな説明が入ります。それを、いかにも映画的な手法で示したわけです。

 

最後の作品になるはずだった「魔女の宅急便」

さて、今も大活躍中の宮﨑駿監督ですが、当時は「ルパン三世 カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」と、つくりたかった作品を全て世に出して、引退するつもりだったそうです。「魔女の宅急便」も、つくるつもりは無かったとか。

しかし、当時移籍してきた鈴木敏夫プロデューサーが、手際よくスポンサーなどを集めてきた為に、作品として世に送り出す事になりました。当時、ジブリはそれほど興行収入もなく、「魔女の宅急便」が最後とまで言われていました。そこで、鈴木氏は日本テレビと提携し、見事ヒットさせて、「魔女の宅急便」は宮﨑駿監督の代表作の一つとなったのです。

 

原作と違うキキとトンボ

「魔女の宅急便」には、上に書いたように、角野栄子さんによる原作があって、映画の話の後も物語は続きます。最後はトンボとキキは結婚して、キキはニニとトトという双子のお母さんになります。そして、双子の修行を見送るところで終わるのですが、実は、宮崎監督の考えは全然違います。

宮崎監督は、「僕は、トンボとキキが恋仲になったとは全然思ってないんです」。う~ん、それだと監督、どうしてキキは飛べなくなったのでしょうか? 「飛べなくなったのは、トンボと喧嘩したからだとか、説明すれば問題が明確になるかと思えば、そうはならないと思うんです」。

監督は続けて、「映画の中の表現の方が女の子に納得してもらえると思ったんです。僕たちにも、昨日描けたものが急に描けなくなることがよくあります。 どうして描けたのか忘れてしまうんです。 それがどうしてなのか解りませんよね」と言っています。

飛べなくなった理由は、初潮だとか、性への目覚めとか、意識したから、とか色々な都市伝説がありますが、映画のキキとトンボは結局、結ばれなかったのでしょうか?

 

宮崎監督も出演!?

いたずらは他にもあります。キキが、町へ行って、車やバスにぶつかりそうになるシーンなのですが、その町の二階建てバスに、「STUDIO GHIBLI」とあります。猫バスならぬ、ジブリバスですね。

また、スランプになり、ホウキで飛べなくなったキキは、デッキブラシで空を飛ぶのですが、その後、デッキブラシを貸したおじさんがTVの中のキキを指差しながら、「あのデッキブラシはわしが貸したんじゃぞ!」と言います。その時、人ごみの右上の隅に、眼鏡の宮崎駿監督(もちろん、絵ですが!)がいます。

 

謎の男の子

トンボを助けて、大団円。群衆に囲まれるキキとトンボですが、…左後ろで、リボンとサングラスをつけた男の子が飛び跳ねています。誰だか分かりません。ジブリでも謎のキャラ扱いで、宮崎監督のみぞ知る登場人物です。

 

いかがでしょう、遊び心満載の「魔女の宅急便」。原作は2009年10月に完結し、また宮崎監督のアニメ映画だけでなく、実写映画にもなりました。一人の少女が成長する姿を描いたこの作品には、まだまだあなたの知らない謎が残っているかも? これを機に、見直してみるのも良いかもしれません。

まとめ

魔女の宅急便に隠された9つの都市伝説

・タイトルの謎
・幻のポスター案
・ハイジとおじいさんが共演している?
・「紅の豚」と世界が同じ?
・黒猫のジジが話せなくなるのはどうして?
・最後の作品になるはずだった「魔女の宅急便」
・原作と違うキキとトンボ
・宮崎監督も出演!?
・謎の男の子


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