なぜかよくわからないけど足がだるい気がする。特に変わったことをした覚えもなければ、目立った原因も分からない、それなのに、とにかく足がだるい。そんな時、真っ先に考えられるのは疲労の蓄積ですよね。そう、疲労とは筋肉が張っている状態のこと。
筋肉は、血液を循環させる「手押しポンプ」の役があります。疲れが溜まって、筋肉が張ったり凝ったりすると、ポンプの役目を果たさなくなってしまいます。血液の循環が悪くなって、疲労物質が蓄積しやすくなっている状態になります。疲労することで足に老廃物がたまっていき、それが足がだるくなる原因となります。
疲れているときは、動く気にならないかもしれませんが、それでは逆効果です。下半身にたまった疲労物質を循環させて排出するために、ストレッチや入浴、運動が効果的です。しかし、足のだるさの原因は、疲労ではないかもしれません。
そこで今回は、足のだるさが病気の症状である可能性を考え、早期発見できるチェック方法についてお伝えします。ではご覧ください。
血管がコブのように盛り上がっていない?
血液の流れが悪くなった場合に考えられるのは下肢静脈瘤かもしれません。 足の静脈からうまく心臓へ血液が戻せなくなって、血液がその場に溜まっていく病気です。 症状が進んでしまうと血管が腫れてコブのようになってきます。 主な症状は、足のむくみやだるさ、痒みや鈍痛があり、足がつったりします。
この病気は、立ち仕事を長年行ってきた人が特になりやすく、2回目以降の出産などでも発症することが多いです。 生命の関わるような重い病気ではありませんが、重症になると血液の成分が肌に染み出して、 黒ずんだり硬くなったり、潰瘍が出来たりします。
症状が軽いうちなら、ストレッチや入浴、運動で改善ができます。また、足を高い位置にすると楽になります。動きたくなく、つらい時には最初にこうして身体を楽にしてから動かすと良いです。
片足だけ急にむくんでいない?
足首の少し上、すねの部分を指で20秒ほど押さえて5秒経過してもへこみが戻らなければ、むくみがある証拠です。これが片足だけ急にむくんできた場合、深部静脈血栓症を疑いましょう。
深部静脈に血栓ができて、血栓で血管がふさがれると血流が滞り、血液中の水分が血管外に染み出すことになります。血栓がその後剥がれて飛ぶと肺に引っかかると動悸、呼吸困難が起きるので救急車で医療機関へ行かないと生死に関わることもあります。
爪に縦の筋が出ていたり、黄色がかっていない?
爪に縦の筋が出ていたり、黄色がかっている上で、ふくらはぎの下肢が非常にだるくなる、といった症状は、肝臓病の疑いがあります。肝臓機能に異常が生じると、爪の表面にしま状の縦の筋が出てきます。光のかげんで見えない場合、爪をいろいろな角度に動かしてみると、かすかに出ているものもよくわかります。
他に、顔や手のひら、足の裏等あちこちの肌が黄色くなったり、自立神経失調症を起こして不眠になったりという症状も表れます。他にも、右肩や首筋がこる、肝臓の右上部が盛り上がる、怒りっぽくなるなどの症状が出ます。
体重が急に増加、皮膚が異常に乾燥する?
体重が急に増加したり、皮膚が異常に乾燥したり、身体や足がむくみやすく、やる気が起きない、などの症状がある病気のひとつに、甲状腺機能低下の「橋本病」があります。
新陳代謝が遅くなり、身体が正常に動かない病気です。他の症状として、うつ病に似た無気力症状、不定愁訴や更年期障害に似た症状、若いのに老化現象に似た症状、物忘れ、不眠等があります。
最近異常に疲れやすくなった?
全身がだるい、疲れやすいという症状が出ていたとしても、「歳だから」「最近忙しかったから」と軽く考えてしまうことも多いですね。しかし糖尿病で全身がだるい、疲れやすいという症状が出ることが良くあります。
これらは多くの人に身近な体調の変化かもしれませんが、もしかすると、糖尿病のサインかもしれません。他にも「よく汗をかく」、「異常にのどが渇く」、「尿意が頻繁」、「ふくらはぎがすぐ痛くなる」といった症状があらわれます。
足背動脈を触れる?
足の甲の真ん中あたりで、親指と人差し指の腱の間に足背動脈と呼ばれる動脈があり、健康であれば脈に触わることができます。閉塞性動脈硬化症や急性動脈閉塞を起こした場合、この脈が触われなくなります。
いずれも血栓がつまったり、動脈硬化により足に流れる血液が少なくなり、だるさからしびれ、いずれ痛みの症状が出るようになります。進行すると命に関わりますので、この動脈が触れない場合至医師の診断を受けましょう。
横になると呼吸が苦しいが身体を起こすと楽になる?
横になると呼吸が苦しいが身体を起こすと楽になる、夜にトイレに起きる回数が増えた、坂道や階段を上がると息切れする、手足が冷える、おなかが張るという症状がだるさと共に表れる場合は、心不全が疑われます。
心不全は心臓が全身に十分な血液を送れない状態になっていることを言います。心不全は突然起こる場合もありますが、多くの場合知らず知らずのうちに心臓が弱って進行していきます。
さて、足がだるい、疲れやすいという症状は、睡眠不足・過労・ストレスなどが続くとよく起こります。また、今回お伝えした症状も、それぞれの症状自体はストレス過多により発生することがあるのは否めません。
過度に心配する必要もないとは思いますが、症状がいつもよりひどかったり、長期間続くといった場合には時として病気が潜んでいる時もあります。また、早い段階で病気が発見できれば治療して早く治すことができます。 足の疲れかたがいつもと違うと少しでも感じているなら、早めの診察をオススメします。
まとめ
足がだるい時に、病気と疑われる症状を見つけるポイント
・血管がコブのように盛り上がっていない?
・片足だけ急にむくんでいない?
・爪に縦の筋が出ていたり、黄色がかっていない?
・体重が急に増加、皮膚が異常に乾燥する?
・最近異常に疲れやすくなった?
・足背動脈を触れる?
・横になると呼吸が苦しいが身体を起こすと楽になる?