足がだるいのは病気のせいだった!7つの恐い症状

何となく足がだるい、と思うことはよくありますね。「少し仕事で疲れただけなのだろう。」と放っておいて良いのでしょうか?でも、もしかしたら、それは病気のせいなのかもしれません。

その病気とは「下肢静脈瘤」と言って、例えば美容師さん、調理師さんなど立ち仕事の多い方、妊娠している方など、女性に多い病気が進みつつあるのかもしれません。もちろん、あまり悪い方に考えることは良くありませんが、足のだるさを感じたら、疲れを取り除き血行を良くするようにケアすることが大事です。

静脈とは、心臓へ戻っていく血液の通り道ですが、特に足から心臓まで戻るには重力に逆らう必要があります。通常は逆戻りしないようにふくらはぎの筋肉がポンプの役目を果たし、その上、血管の中の所々に弁が備わっていて逆流を防いでいます。

ところが、じっと立っている仕事では筋肉は弱っていきますし、妊娠をきっかけに逆流を防ぐ弁の機能が働かなくなることがあるのです。この病気は、なりやすい体質、という遺伝的な要因もかなりあるようです。

男性でも、立ち仕事が多い方はこの病気になることがあるので注意しましょう。「下肢静脈瘤」は、放っていると次のような恐い症状へと進んでいきます。

 

足がだるいのは病気のせいだった!
7つの恐い症状

 

血管が所々膨れ上がって、寄生虫が中にいるような形になる

最初はだるさを感じたり、むくんだり、こむら返りを時々起こしたりということから始まりますが、血液が心臓へ戻って行かず所々に溜まっていくので、血管が膨らみ皮膚をボコボコと押し上げます。まるで寄生虫が何匹か皮膚の下に入り込んでいるような形になり、見た目がちょっと気持ち悪い状態になります。

この病気はゆっくりと進行していきますので、この時点では痛みなど感じることはなく、そのままにしている方も多いのですが、早めに対処する方が治りも早くて済みます。

 

だるさは強くなり、湿疹や皮膚炎を起こす

静脈は体中の老廃物や二酸化炭素を吸収して心臓に送り返されます。「下肢静脈瘤」が進行すると、汚れた血液が足に留まったままになってしまいますので、湿疹や皮膚炎など皮膚に影響が出始めてきます。

皮膚炎はかゆみも伴うので、かくと余計に症状は悪化するので注意しましょう。こうなる前にウォーキングなど運動療法を始めれば良いのですが、だるさやむくみも重くなってきますので、益々運動することが辛くなり、症状もどんどん進行し悪循環となっていきます。

早めに医師の診断を受け、足を圧迫して血液を循環させやすくする弾性ストッキングを着用するなどの治療をしていきましょう。

 

色素沈着が進み、皮膚潰瘍など皮膚への影響が大きくなってくる

血液の循環が悪いと、体の中にたまった老廃物を処理出来なくなってきますので、新しい皮膚が生成されにくくなり、キズが出来てしかも治りにくくなる皮膚潰瘍を起こすこともあります。

こうなると弾性ストッキングの着用では済まなくなります。血管に硬化剤を注入して静脈瘤ができた血管を塞いで退化させてしまう硬化療法や、手術で血管を抜き取るストリッピング手術などの治療が行われます。

しかし、皮膚潰瘍が酷くなった場合、うっ血したような跡はなかなか消えません。女性にとっては大きな問題を残してしまうことになりかねません。

 

痛みを伴う表在性静脈炎

「下肢静脈瘤」だけでは痛みは伴いませんが、様々な合併症をもたらし、時には痛みを伴い、日常生活に支障を来たすことになります。そのひとつが表在性静脈炎です。静脈瘤で血液の流れが滞りますので血栓ができやすくなり、その結果血管に炎症を引き起こす原因となります。

「表在性」という名前の通り、体の表面に近い血管に炎症が起こった場合この病名に診断されます。表在性静脈炎では、それほど深刻な事態とはなりませんが、じくじくと辛い痛みが生じてきますので、消炎鎮痛剤や抗生剤で炎症を抑えていかなければなりません。

 

命を奪う合併症に発展しかねない深部静脈血栓症

前述した表在性静脈炎は、体の表面にあるため、エコー検査もしやすいですし、硬化療法やストリッピング手術も行いやすいという面があります。

皮膚に症状が出るので見た目には酷く見えますが、深部静脈血栓症は体の深部の筋肉に走る血管にでき表面的には症状が見えないので治療も難しく、しかも、出来た血栓が体の他の部分に運ばれて命を奪うことになる可能性も秘めています。

治療は抗血栓治療薬を服用することになります。静脈瘤はほとんどが表在性なのですが、稀にこの深部静脈血栓症になることがあります。

 

肺動脈塞栓症に発展すると生命に危険を及ぼします

深部静脈血栓症を発症すると、肺動脈血栓症を発症する恐れがあります。「エコノミークラス症候群」という病気を聞いたことがあると思います。飛行機などの乗り物で長時間窮屈な姿勢でいると、下半身の血流が滞り肺動脈血栓症を引き起こすという病気です。

静脈内に出来た血栓が剥がれ血液の流れにのって肺に到達すると、肺動脈を塞いでしまうのです。この病気は、見た目には全く悪い所が無いように見えて、急激に深刻な状態に陥るところが厄介なのです。

ちょっとした足のだるさから始まり、下肢静脈瘤を発症し深部静脈血栓症を合併してしまう恐れがあるのですから、決して軽く考えてはいけません。

 

非常に稀な内腸骨静脈系静脈瘤

下肢静脈瘤は、たいてい太ももからふくらはぎにかけて発症しますが、大変稀ではあるのですが、時に内股部分に集中して発症することがあります。

妊娠中に起こる骨盤内静脈うっ滞症候群も、この内腸骨静脈系静脈瘤との関わりが大きいとされています。症状が軽ければ、硬化療法や血管を結ぶ高位結紮術を行いますが、症状が進行している場合は卵巣静脈切除術や塞栓術などの手術を行うことになります。

この合併症は深部静脈血栓症ではありませんので、命を奪う危険性はないのですが、陰部周辺にできるのは見た目もそうですが、治療するのも嫌なものです。

 

立ち仕事の多い方で足がだるくなる症状があれば、この下肢静脈瘤に発展していく恐れがあります。合併症の中には、生命に危険を及ぼすものもありますので、むくみやだるさがあれば早めに自分で出来るケアを始めていきましょう。

寝るときに座布団などで足元を高くすれば血流が滞りにくくなりますし、ポンプの役目を担うふくらはぎの筋肉を鍛えるにはウォーキングが効果的です。

どんな病気の予防にも言えることですが、血流を促すことはとても大事なことなので、食生活を改善することも重要です。色んな方法を試しても足のだるさやむくみが解消されない場合は、必ず早めに医師の診察を受けましょう。

 

まとめ

足がだるいのは病気のせいだった!7つの恐い症状

・血管が所々膨れ上がって、寄生虫が中にいるような形になる
・だるさは強くなり、湿疹や皮膚炎を起こす
・色素沈着が進み、皮膚潰瘍など皮膚への影響が大きくなってくる
・痛みを伴う表在性静脈炎
・命を奪う合併症に発展しかねない深部静脈血栓症
・肺動脈塞栓症に発展すると生命に危険を及ぼします
・非常に稀な内腸骨静脈系静脈瘤


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