手のしびれは神経障害の疑いがあります。肘部管症候群による手のしびれは、手の麻痺が原因となっています。これを放置してしまうと、手の筋肉の縮小や、小指・環指の変形が生じます。神経障害の一種なので、放置していていいことはひとつもありません。
症状を放置してしまうと様々なリスクを高めてしまう可能性があります。特に、症状の原因となるガングリオンは腫瘤と呼ばれ、これは悪性ではない腫瘍を意味しています。
症状をもとに原因を特定することができれば、簡単に治すことができるので、すこしでも疑いがあれば医師の診察を受けてください。決して難しい処置ではないので、心配はいりません。ここでは初期症状の発見から実際に処置の方法までを紹介していきます。
手のしびれの原因は肘部管症候群?!
事例と適切な処置とは
初期は小指と環指の一部にしびれが生じる(初期症状)
具体的には、小指の先から手の付け根にかけての一部にしびれが生じます。麻痺の進行により症状が異なるため、しびれや不快感が生じているようなら、肘部管症候群の疑いがあります。そもそも手足のしびれは放置していると深刻化してしまうものが多いので、しびれを感じたらすぐに医師の診察を受けるようにしましょう。
神経の圧迫(原因)
神経を固定している靭帯や、ガングリオンなどの腫瘤による神経の圧迫が原因となっていることがあります。この場合、外科的な療法によって解決することができるので、比較的簡単に治療することができます。また、腫瘤は腫瘍の中の悪性ではないものを意味しているので、放置していると危険です。発見次第除去するようにしましょう。
加齢や骨折に伴う肘の変形(原因)
加齢や骨折によって肘が変形し、骨や関節の隙間が狭くなることによって肘部管症候群になってしまうことがあります。
骨折による肘の変形は、骨折時に正しく治療していればそのようなことにはならないでしょうが、キレイに治さなかった場合には慢性的な手のしびれを引き起こしてしまいます。特に子供の時の骨折が原因となっていることが多いので、気をつけましょう。
野球や柔道などのスポーツ(原因)
野球や柔道など、肘に過度の負荷がかかるスポーツをやっていた方に多く発症しているというデータがあります。
肘部管症候群という名前の通り、肘に負担をかけている時期が長期化していた方は特に注意が必要です。麻痺の症状が表れたときは、重症化する前に早めに医師の診察を受けてください。早期発見が何より大切です。
肘の内側を軽く叩き、しびれが生じたら疑いがある(発見方法)
肘部管症候群は、このような方法によって発見することができます。手にしびれを感じた時には、肘の内側の部分を軽く叩いてみてください。それによってしびれが生じたときには、肘部管症候群の疑いがあります。もしもこの症状が表れたときには、すぐに医師の診察を受けてください。
レントゲン検査(発見方法)
レントゲン検査によって、肘の外反変形や関節の隙間の狭さを発見することができます。レントゲン検査は痛みを伴わず、時間にしても一瞬で終わるので、簡単に行うことができます。肘の内側を軽く叩いて手にしびれを感じた時には、レントゲン検査を受けてください。
薬物の投与と外科治療(処置)
初期の治療としては、薬物の投与や肘の安静といった保存療法を行ない、様子をみることになります。これらの治療によってあまり効果が見られない時や、麻痺が進行してしまっているときには、外科手術を行うことになります。
尺骨神経を人体が圧迫してしまっている場合は、身体の切離を行い、ガングリオンが圧迫している場合は切除を行います。また、神経の緊張がひどい場合においては、骨を削る外科手術や、神経を前方に移動させる手術をして治療を行います。
肘の変形がある場合は、変形している部分を手術的に矯正することになります。いずれも難しい手術ではないですが、重症化する以前に医師の診察を受けていれば簡単なもので終わることが多いため、早期の発見が何より大切になります。少しでも症状があらわれていたら、早めに医師の診察を受けてください。
いかがでしたでしょうか。
肘部管症候群という言葉に馴染みのない方がほとんどであると思いますが、その症状が表れている患者の数は意外と多いです。特に、老化によって引き起こされる可能性のあるものであるため、誰にでも起こりうる神経障害と言えます。
手のしびれは、一度症状が表れてしまったら慢性化するので、その不快感を味わい続けなければならなくなります。そのため、もしもこれらの症状が表れた時には、すぐに病院に行くようにしてください。
そこまで気にならないから大丈夫と放置してしまうと、重症化して余計に複雑な治療を行わなければならなくなってしまいます。それを防ぐためにも、早期発見が何よりです。
そして、子供の怪我についても気に掛けるようにしましょう。子供のときの骨折が大きな原因となっているため、肘の部分を骨折した時には、正しく治療を行ってあげる必要があります。たとえそれが軽度のものであったとしても、医師に相談するようにした方が良いです。
まとめ
手のしびれの原因は肘部管症候群?!事例と適切な処置とは
・初期は小指と環指の一部にしびれが生じる(初期症状)
・神経の圧迫(原因)
・加齢や骨折に伴う肘の変形(原因)
・野球や柔道などのスポーツ(原因)
・肘の内側を軽く叩き、しびれが生じたら疑いがある(発見方法)
・レントゲン検査(発見方法)
・薬物の投与と外科治療(処置)