何だかおかしい…。痛みはないけど、手足がしびれる、指先がしびれて力が入らない…。そんな症状が出たら要注意です。ただちに病院を受診した方がいいかもしれません。手足がしびれる、という事は人命に関わる大病のサインかもしれません。甘くみない方が良いでしょう。
しびれの原因は様々です。ホルモンのバランス、脳、精神的な原因も考えられます。手足がしびれる場合遅かれ早かれ痛みがやってきます。しびれと痛みはセットだと考えてもいいでしょう。今回は特に手足のしびれからくる重大な病気をピックアップして、5つの症状ごとに病気のサインを見分けてみましょう。
手足のしびれは大病のサイン!
症状で見分ける5つの方法
突然手足がしびれて数分で消える片側半身のしびれ
突然片方の手足がしびれ、数分から30分程度続いておさまる、ろれつが回らない、めまい、物が2重に見えるなどの症状が出た場合、そのしびれは「一過性脳虚血発作」かもしれません。これは、脳内の血管に剥がれた血栓が詰まったり、血圧の急激な低下によって一時的に脳への血液の循環が悪くなることで起こります。一過性脳虚血発作は脳梗塞の前触れとなる可能性があります。この様な症状を繰り返す場合、症状が消えても受診が必要です。なるべく早めに病院に行って診察を受けて下さい。
*一過性脳虚血発作:一過性脳虚血発作を治療しないで放っておくと、3か月以内に15~20%の方が脳梗塞を発症し、そのうち半数は一過性脳虚血発作を起こしてから数日以内(特に48時間以内)に脳梗塞になると言われています。
頭痛や嘔吐を伴う手足のしびれ
半身だけが激痛とともにしびれ、高熱、呼吸異常が続いて頭痛や嘔吐が伴う場合、それは「脳出血」かもしれません。脳出血は、両目とも片側半分だけが見えなくなる「半盲」が特徴です。脳出血の原因は、脳内の血管の動脈瘤破裂や外傷による出血が原因です。約70%が動脈硬化・高血圧から脳出血になると言われています。脳腫瘍や白血病が原因のこともありますから、普段から病院で治療を受けておくと安心です。
*脳出血:平成20年度の脳出血患者の数は133万9,000人(男性65万人、女性68万9,000人)です。日頃の予防措置が大切ですから、高血圧の方は特に気をつけましょう。
早朝の激しい頭痛と手足のしびれ
早朝から手足のしびれが改善されずに徐々に進行する場合は、「脳腫瘍」の可能性があります。脳腫瘍の特徴は、手足がしびれる他に、頭痛や吐き気、嘔吐、視覚異常(視野がぼけるなど)を伴うことです。特に早朝の強い頭痛と「手足のしびれ」は脳腫瘍の疑いが強くなります。ろれつがまわらない「言語障害」も併発する事も多いので早急に専門医の診察を受けることが大切です。
*脳腫瘍:日本では、年間5万人以上の人が脳腫瘍を発症しています。6〜12万人の患者がいます。年間2万人以上の方々が、転移性脳腫瘍で亡くなられていると推定されています。腫瘍は悪性と良性がありますから、病院で早めに検査をする事が大切です。
風邪のような症状の後で手足がしびれる
咳や発熱、頭痛、喉の痛み、下痢などの感冒の症状の後に急速に手足がしびれる場合、「ギラン・バレー症候群」かもしれません。手足のしびれの他、「話にくい」「食べ物が飲み込みにくい」という症状が出ることもあり、重症になると呼吸筋の麻痺によって呼吸障害を引き起こすこともあります。手足、顔面の筋力が低下して、動かなくなる恐ろしい病気です。
*ギラン・バレー症候群:聞き慣れない病名ですが、人口10万人あたり年間1~2人の発症数があります。年齢別にみると若年成人と高齢者に多い病気です。3~6カ月でほぼ完全に治りますが、10~20%の患者さんでは後遺症を残します。
手足の指先が左右対称にしびれる
糖尿病の悪化による代謝障害が原因で手足の指先が左右対称にしびれはじめるのが、「糖尿病性ニューロパチー」という病気です。この病気は手足の先にピリピリした「しびれ」が現われ、徐々に体の中心方向に向かって進行していきます。
しびれが左右対称に起こるものを「多発性ニューロパチー」と呼び、左右バラバラに発症するものを「虚血性ニューロパチー」といいます。糖尿病による動脈硬化から、手足先の神経細胞に充分な血液が送られなくなることが原因で発症しますから、ほっておくと大変です。早期治療が必要な病気です。
*多発性ニューロパチー:以前は神経炎と呼んでいましたが、末梢神経の病気を総称してニューロパチーといいます。感覚や筋力が鈍くなるのが特徴です。
いかがですか。たかが手足のしびれ…。とはあなどれませんよね。特に一過性脳虚血発作には気をつけて下さい。症状が完璧に収まるのが特徴です。しかし2日以内に脳梗塞になる確率が高く、非常に怖い病気です。手足のしびれは、頭痛と同じ位起こり易いと言われています。ストレスや激しい運動の後にも起こります。単純に身体が疲労してるから起こるのか、身体の内面の病気が要因で起こるのか、なかなか判断は難しいでしょう。
見極める方法としては、手足のしびれの他に、頭痛、めまい、言葉がもつれるといった症状が併発したら危険信号だと覚えて下さい。早期発見、早期治療があなたの命を救います。是非、気をつけて下さいね。
まとめ
手足のしびれは大病のサイン!症状で見分ける5つの方法
突然手足がしびれて数分で消える片側半身のしびれ
頭痛や嘔吐を伴う手足のしびれ
早朝の激しい頭痛と手足のしびれ
風邪のような症状の後で手足がしびれる
手足の指先が左右対称にしびれる