手足のしびれの原因は?考えられる病名と対処法


「最近、朝起きたら手足がしびれる。」などの症状にお心当たりはありますか?手足のしびれは、手足だけの問題ではない場合が多いのです。脳や脊髄やその他の部位で、手足に通じる神経や血管が圧迫されている可能性があるのです。

つまり、どこの神経の圧迫によって手足のしびれ症状が出ているのかを、まず解明する必要があります。手足のしびれから、恐ろしい病気が発見される場合もあるため、手足のしびれなどの症状を感じたらすぐに受診するようにしましょう。

どんなに怖い病気であっても、早期発見すれば予後は格段に良くなるからです。医療機関に受診する前に、手足のしびれの期間や時間帯など、あらかじめ伝えやすいようにまとめておきましょう。

 

手足のしびれの原因は?
考えられる病名と対処法

 

脳こうそくで片側のしびれ

ある日急激に、片方だけの手足がしびれたり痙攣したりする症状が見られたら、脳内の異変を疑った方がいいでしょう。

手足のしびれのほかに、めまいや立ちくらみ、歩行障害や言語障害が見られたら、脳こうそくや脳腫瘍の可能性が高いと言えます。家族などに付き添ってもらい、すぐに近くの病院へと向かいましょう。

 

甲状腺機能低下による橋本病

「橋本病」という病名を聞いたことがあるでしょうか。橋本病とは、人ののどに位置する甲状腺の機能低下によって起こる病気です。甲状腺の機能が低下することによって、手足のしびれやむくみ、そして異様な睡眠欲が出ることが特徴に挙げられます。

ホルモンバランスが崩れるため、急に怒りっぽくなることも橋本病の特徴の一つです。継続的に投薬することで症状は治まる病気ですが、投薬期間は短期であっても入院治療することになるでしょう。その後症状が改善されたら、定期的な受診と飲み薬などを処方されます。

 

脳腫瘍による脳内神経の圧迫

脳内に腫瘍ができると、腫瘍のできた部位の神経や血管が圧迫されます。それによって圧迫された神経につながる体の部分にしびれなどの症状があらわれます。原因不明に手足がしびれるなどの症状が急にみられたときは、脳内の異変を疑うといいでしょう。

脳腫瘍や脳梗塞が原因で手足がしびれるとき、症状が急に発症することや、同時によだれが出たり言語障害が起こるなどの特徴があります。歩行障害になる人も多いため、受診する際は誰かに付き添ってもらうことをお勧めします。

 

椎間板ヘルニアで神経を圧迫

椎間板ヘルニアになると、椎間板の間の神経や血管を圧迫するため、手足にしびれが起こる場合があります。手足のしびれはヘルニアの具合によって生じるため、椎間板ヘルニアの治療に専念することで緩和するでしょう。

ヘルニアの治療は注射や飲み薬などの投薬が一般的ですが、病気の進行具合によっては手術を施します。圧迫されていた部位が正常に戻ると、手足のしびれも緩和するでしょう。

 

脊髄に腫瘍があるときに

脳と同じように、体の神経が集まっている脊髄に腫瘍ができると、脳腫瘍のように手足のしびれなどの症状が起こります。脊髄腫瘍は激しい腰痛などの症状が出るため、発見されやすい病気と言えるでしょう。

腰痛だけでなく、手足のしびれや麻痺症状に加え、排尿に障害が出る場合もあります。また、痛むときに安静にしていても、痛みの改善がみられないことも特徴と言えるでしょう。

 

慢性的な糖尿病

糖尿病は生活習慣病として、多くの日本人が患っている病気です。にもかかわらず、糖尿病患者の多くは、自分の病気を自覚していないケースが多いのです。糖尿病に特徴的な症状を感じたときは、すでに病気が進行してしまっている場合が多いのです。

手足のしびれが気になって受診したら、実は糖尿病だったという話はよく聞きます。糖尿病は多くの別の病気を併発する危険のある恐ろしい病気です。中でも、糖尿病神経障害は、手足のしびれなどの症状を引き起こします。

この場合は、手足のしびれの緩和のために、元の原因である糖尿病の治療を積極的に行うべきでしょう。

 

老化に伴う変形性脊椎症

背骨の間の椎間板という、クッションの役割を果たしている組織が、老化によって衰えることによって、背骨の間の神経が圧迫されて手足がしびれる症状が起こるケースがあります。

背骨から腰に掛けて強い痛みが起こるとともに、下半身のしびれや倦怠感、だるさなども併発します。老化による椎間板の損傷は、そこに至るまでの食事や生活習慣が大きく関係しますが、発症してしまったら対処治療を行うしかありません。

痛むときは絶対安静が必要です。その際に、お風呂などで温めたりすると効果的でしょう。また、どうしても休めない仕事などがある場合は、脊椎症用のコルセットなどを着用するといいでしょう。

 

以上、手足のしびれの原因と思われる病気と、その対処法について書いてきましたがいかがでしたでしょうか。

手足のしびれは大元の神経の圧迫が原因である場合が多く、深刻な病気の初期症状とも考えられるため、なるべく早くに受診することをお勧めします。また、対処法としても即効性のあるものが少なく、元の原因になっている病気の解明と治療が、一番の対処法と言えるでしょう。

手足は日常生活に欠かせない大切な部位なので、しびれや麻痺で使えなくなると大変です。症状に気が付いたら、早めに受診して病気を早期発見することが大切です。

まとめ

手足のしびれの原因は?考えられる病名と対処法

・脳こうそくで片側のしびれ
・甲状腺機能低下による橋本病
・脳腫瘍による脳内神経の圧迫
・椎間板ヘルニアで神経を圧迫
・脊髄に腫瘍があるときに
・慢性的な糖尿病
・老化に伴う変形性脊椎症


連記事