背中のしびれは病気のサイン!症状で分かる5つの病名


なんだか、身体が重い、背中が特にしびれる…。デスクワーク疲労、激しい運動や寝違えたわけでもない、原因がないのに背中にしびれがある場合、軽いストレッチをするよりも、病院を受診した方が良いかも知れません。日常生活において、背中が痛む原因は、骨、筋肉の異常、脊髄、神経の異常、内臓の疾患などが考えられます。特に内臓疾患の場合、胸膜炎、心筋梗塞、狭心症、大動脈炎症候群、解離性大動脈瘤といった重大な病気が原因の可能性もあります。

このように背中のしびれを甘くみてはいけません。そこで今回は、特に怖い内臓の病気について、症状で分かる病名についてお伝えします。ではご覧ください。

胸膜炎の場合

両胸膜に囲まれた胸膜腔に、胸水がたまる病気を胸膜炎と呼びます。心臓が痛い、背中がしびれる等、痛みが続くようなら早めに病院へ行きましょう。熱も出るので病院へ言ったら風邪ではなく胸膜炎だった、という話もよく耳にします。病院の医師が聴診器を胸にあてると濁音がするのですぐ分かるそうです。胸水が増えてくると呼吸が困難になりますから非常に危険です。

咳がひどく、熱が高いのは普通の風邪ですが、それと同時に咳をすると心臓あたりの前胸が痛む場合は胸膜炎の可能性があります。同じ症状で結核も考えられます。早期発見で治療が可能な病気ですから、少しでもおかしいと感じたら、病院で検査を受けて下さい。

 

心筋梗塞の場合

心筋梗塞は激しい痛みが突然走るのが特徴です。「背中から心臓付近にキリで刺されるような痛み」「突然アイロンを押し付けられた様な痛み」が、背中、心臓まわり、首や肩に走ります。心筋梗塞は日本人の3大死因の1つです。心筋梗塞になる患者の数は毎年約15万人で、そのうちの30%の人が亡くなっています。喫煙者で、塩分、糖分、脂っこい食事が好きな方は心筋梗塞にかかり易いと言われています。

40代以降で思い当たる人は、そろそろタバコを止めてもいいかもしれません。また、遺伝的要素も考えられます。両親や祖父母が心筋梗塞で亡くなっているとしたら、やはり日頃から生活習慣を見直しておく必要があります。心筋梗塞は40歳過ぎから多くなり、50歳から60歳がピークです。女性よりも男性が多くかかる病気だと言われています。

心筋梗塞は突然起こります。特に糖尿病、肥満、高血圧症や高脂血症、喫煙者などがかかりやすいと報告されています。40%の人が発作から1日目で亡くなっています。発作が起こったらすぐに救急車を呼び、適切な治療を受ける必要があります。

 

大動脈炎症候群の場合

大動脈炎症候群とは、主に大動脈に生じる原因不明の血管炎の事です。血流障害が起こるため、手首の脈が測れなくなるので、別名「脈なし病」とも呼ばれています。また、最初の報告者の名前から「高安病」とも言われます。20~40歳の女性が多く発症し、男性の患者が少ないのが特徴です。

背中がしびれる、発熱、食欲不振や体重が減少し始めたら、若い女性は大動脈炎症候群を疑っても良いかもしれませんね。大動脈炎症候群は全国で約5、000名の患者がいて、厚生労働省の統計によれば、毎年約200名程度増加しています。背中以外に手足がしびれたり、めまいやたちくらみ、腎臓機能の低下といった症状も起こります。理由がわからないのに身体のだるさが続いた場合、やはり病院を受診した方が良いでしょう。

 

解離性大動脈瘤の場合

いきなり背中にバットで殴られたような激痛がおこり、段々お腹や腰に痛みが広がって、高血圧になったとしたら、解離性大動脈瘤を疑いましょう。この病気はきわめて重篤で危険な病気です。発症から24時間で20%、1週間で60%、3か月で90%が死亡すると言われていますから、すぐに救急車を呼びましょう。

動脈瘤は血管の老化現象である動脈硬化が原因といわれています。つまり、歳を取れば誰でもこの病気になる可能があるのです。中でも喫煙、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などをもっている方は可能性が高くなります。激しい運動は避け、減塩の食事療法や禁煙は勿論、血圧を下げる降圧療法を積極的に行いましょう。

 

脊髄の腫瘍の場合

悪性腫瘍、いわゆるガンが脊髄部分にまで移転した場合、背中に激しい激痛が走ります。背中の痛みや手足に走るような痛みなどが続いて慢性化すると、今度は手足の感覚がにぶったりします。階段を降りにくくなったり、つま先が引っかかって転び易くなります。便秘がちになったり、膀胱の機能が悪くなるため排尿に時間がかかるといった問題も起こります。これは至急X線検査を行い、手術により腫瘍を取り除く必要があります。

脊髄は、手足を動かす神経や感覚を司る大事な神経が集まっているため、手術は最新の注意が必要です。早期発見が大切な病気ですから、背中の痛みが続き、手足がしびれる、そんな症状が2週間以上続いた場合は要注意。発生する頻度は10万人あたり1~2人で、脳腫瘍の1/5~1/10程度と比較的珍しい病気ですが、ならない可能性はゼロではありません。早めに病院を受診しましょう。

 

いかがですか。たかが背中のしびれ…。なんて絶対に思ってはいけません。背中の痛みは内臓の病気と考えましょう。特に生命を脅かすような重大な疾患に繋がる可能性が高いので、日頃から注意する必要があります。40代以降の人の場合、喫煙や塩分の取り過ぎ、油料理を沢山食べる事は、これらの病気に限らず健康には良くありません。適度な運動と腹八分目の食生活、ストレスを溜めないで睡眠をたっぷり取りましょう。背中の痛みは健康への黄色信号。くれぐれも甘く見ないで下さいね。

まとめ

背中のしびれや症状で疑われる病には

胸膜炎
心筋梗塞
大動脈炎症候群
解離性大動脈瘤
脊髄の腫瘍

などがあります


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