突き指の対処法!意外とやりがち、間違いだらけの応急処置

突き指の対処法!意外とやりがち、間違いだらけの応急処置

日常生活に潜む思わぬ怪我や痛み。特に突き指などは珍しくありません。とは言え、自己判断で対処して逆にひどくなることも。そもそも応急処置というのは、医者に本格的に治療を受けるまでに症状を悪化させないようにするための処置で、治すものではありません。

そういうことを頭に入れておけば、何をすべきで、何をすべきでないかはおのずとみえてきます。「こうすれば良いだろう」という素人っぽい、間違った応急処置は完治を遅れさせてしまいますので気を付けましょう。

ここでは、症状を悪化させない為に意外とやりがちな間違った応急処置を解説します。

 

突き指の対処法!意外とやりがち、
間違いだらけの応急処置

 

引っ張って、元に戻そうとする

やってしまいがちですがこれはやめましょう。そもそも突き指というのは、指先に大きな力が加わって、関節の靭帯が断裂する病気です。

野球、バレーボール、バスケットボールなど、手を使うスポーツで多発するのですが、突き指が発症すると、部分的に指が短く見える場合があり、慌てて元に戻そうとする人がいます。

しかし、それでは靭帯の断裂をますます深めるだけ。応急処置どころか、自分で傷口を広げているようなものです。

 

放置する

引っ張るのと同じくらいやってほしくないことです。関節の靭帯は放置しても自然につながったりはしません。内出血が起こって指関節が腫れ上がって、症状がますますひどくなります。

また、痛みというのは神経が発痛物質で刺激されて興奮する状態なのですが、長期間興奮が続くと、刺激がなくても興奮する長期増強という現象が起こります(逆に慣れてしまう長期抑制という現象もあります)。

この長期増強というのは、一言で言えば慢性痛を引き起こすことです。そうなると、痛みの原因である外傷が治っていても、延々と痛みだけが続くということになります。防ぐには放置するのではなくて、一刻も早く応急処置をし、医者の診察を受けて治療に励むことです。

 

腫れを引かせる為に、腫れに刺激を与え続ける

突き指したところをさする、もよくやりますよね。手で覆ったりさすったりしていると少し痛みが和らいでくるのは本当です。

「手当て」の語源みたいなものですが、いわゆるゲートコントロール説と呼ばれていて、手でさするなどの刺激があると、脊髄後角で中枢に痛みの情報を伝えるT細胞を抑制することが分かっています。

しかし、痛みが収まっても、内出血している事態に変わりはないので血液は集まり続け、まだ元気な細胞を酸欠させて死滅させていきます。こうなると完治するまでの期間が長くなり、痛みそのものも一ヶ月程度続くことがあります。

この場合患部を冷やすことで血流を鈍化させて血液の過度の集中を抑えてくれます。

 

生野菜を大量に食べる

関節炎や神経痛の治療方法として、民間医療と試みられている方法はいくつかあります。そのなかで、ほうれん草、にら、人参、ニンニクなどの生野菜をたくさん食べる、というものがあります。

漢方薬として使われるものには消炎鎮痛作用もあり、たとえば接骨木と呼ばれるニワトコの葉に大葉子の葉などを混ぜて青汁をつくって飲むという民間医療方法だと、ある程度効果が期待出来るかもしれませんが、生野菜を食べる、というのは特に意味はありません。

 

テーピングなどの固定をしない

突き指に見えて実は骨折していた、などの例がありますがいくら内出血や炎症に対する応急処置をしたところで、断裂している靭帯を放置していたら、何の意味もありません。

それどころか、後遺症を残すことがあります。指の靭帯に限らず、人体の各部分の靭帯組織は、繰り返し伸ばすと組成が追いつかなくなり、緩くなって行きます。

いわゆる、「突き指は癖になる」と呼ばれる現象で、突き指がしやすい関節に変形してしまうわけです。突き指の治療としてテーピングなどの固定は必須です。

 

突き指直後にテーピングをする

えっ?さっきと言っていることが矛盾するじゃないか、ですって? いえ、そうではないのです。突き指した直後、関節部分が腫れている状態というのは、内出血が起こり、患部に血液が集中している状態です。

この時にテーピングをしてしまうと、血液の逃げ場がなくなってしまい、逆に血管組織にダメージを与えてしまう場合があるのです。

何はともあれ、安静にし、アイシングをして血流を鈍化させて腫れが引くのを待ち、そしてテーピングをして固定しつつ、抗炎作用のある薬などを飲む、というのが正しい処置で、この順番を間違えると却ってダメージが酷くなります。何事もタイミングが重要なわけです。

ただし、大事な試合中などで、どうしても安静に出来ない場合は、バディテープによるテーピングをする必要があります。靭帯が部分的に断裂している状態なので、テーピングで補強をしなければ、関節障害の症状が酷くなり、後遺症が残ったり、治療期間が長くなったりする可能性があります。

 

患部を揉む

手技療法ですが、皮膚や筋肉を手や指で刺激し、局所の血流が改善することで発痛物質が流されて鎮痛作用を生じさせる方法です。はい、その通りで、血流量が増えると内出血している患部の組織が、集中している血液によってダメージを受けます。

また、痛みがひどい場合は、亀裂骨折や部分骨折を伴っている場合が多く、その場合は患部が非常に腫れあがっているので、見極めは比較的容易です。

ただし、部分的に骨が剥がれているマレットフィンガー(剥離骨折)と言われる場合もあって、これは診断が難しいようです。マレットフィンガーは、指の第一関節などで、靭帯が付着したまま剥がれる骨折なので、絶対安静が大原則です。

何にせよ、骨折している可能性のある部分を揉むのはよくありません。剥がれた骨欠片などが、関節内で遊離体(関節ねずみとも言います)となって靭帯や骨に当たるなどして激しい痛みが続くこともありますのでうかつに揉まないようにしましょう。

 

いかがでしたか。突き指での正しい応急処置は、Rest(安静)、Ice(アイシング)、Compression(圧迫・固定)、Elevation(挙上。心臓より上に挙げる)のRICE療法です。

特に重要なのがアイシングで、氷のうで冷やしたり、水道の流水をかけ続けるだけでも効果があります。たかが突き指と甘く見ないで、正しい処置を行うようにしましょう。

 

まとめ

突き指の対処法!意外とやりがち、間違いだらけの応急処置

・引っ張って、元に戻そうとする
・放置する
・腫れを引かせる為に、腫れに刺激を与え続ける
・生野菜を大量に食べる
・テーピングなどの固定をしない
・突き指直後にテーピングをする
・患部を揉む


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