疲労骨折という言葉を聞いたことがありますか?腰(腰椎)の疲労骨折とは腰椎分離症の前の段階で、まだ分離はしていませんが、放置しておくと分離症になってしまう状態です。腰の疲労骨折は10代前半の成長期のスポーツ選手に多い病気で、腰の部分を使う運動を繰り返し行うことによってかかる病気です。
年齢が若いと腰痛などの症状が出ても軽く考えがちですが、この腰の疲労骨折、放っておくと脊椎分離症になってしまって、辛い痛みが続いてしまいます。そして将来選手生命も短くなってしまうかもしれません。そこで今回は疲労骨折した腰を最短で治す7つの手順をご紹介します。
疲労骨折した腰を最短で治す7つの手順
安静にする
腰椎の疲労骨折は小学生、中学生に多く発生する病気です。運動クラブに所属している子供さんが「腰が痛い」と言われたら、この疲労骨折を疑って練習時間を短縮して、少し安静にすることが必要です。
お休みすることのできる状態でしたら無理をせず、ゆっくり休みましょう。それぞれの能力、体格によって個人差があり、どの運動をどれだけすれば腰の疲労骨折になるということがわからない病気です。人それぞれに適度な運動を心がけることが大切です。
早めの診察を受ける
腰の疲労骨折は早期発見が大切です。すぐに専門医を受診しましょう。疲労骨折をした場合、以下のような症状があった時に医師から腰椎(腰)の疲労骨折と診断されます。
①腰の骨を抑えた時に痛みがある
②腰をそらせた時、痛みがある
③腰をひねった時、痛みがある
早期確定診断をしてもらう
2で医師が疲労骨折と診断したら、詳しく調べるためにレントゲン検査を受けます。そして、レントゲン検査で疲労骨折を疑われると、確定診断のためにMRIを行います。MRIで白く写ると腰椎の疲労骨折の確定診断になります。レントゲン検査の写真を見てもよくわからないと思いますので、医師によく説明してもらいましょう。
骨折部以外のトレーニングは積極的に行う
腰以外の部分の筋力の低下を防ぐため、圧迫骨折部以外の腕など上半身のトレーニングは積極的に行いましょう。この時に、身体をひねる運動、ジャンプは腰に負担がかかりますので控えましょう。
最適なコルセットを使用する
CT検査で疲労骨折の程度(進行度)を調べ、程度により使用するコルセットが決まります。身体の成長期にある子供さんはなるべくピッタリと身体に添うコルセットに仕上げたいものです。コルセットを使用する際に縁の部分が圧迫してしまい、赤くなったり、血行が悪くなったりすると皮膚の部分に痛みを伴い、コルセットの使用を嫌がる場合があります。きちんとコルセットを装着して圧迫した部分を作らないことが大切です。
ジャックナイフストレッチを行う
このストレッチは、
・背骨周辺の筋肉、太ももの筋肉を伸ばす
・足を含む身体の後背部を伸ばす
という効果があります。
具体的な方法として
立って行う場合
1.両手を抱えてしゃがむ
この時に、胸と太ももをぴったりとつけます。2.両手を後ろに回し、かかとに近い両足首をそれぞれの手でつかむ
身体がぐらついて倒れないように注意しましょう。3.ゆっくり呼吸をしながら、両足を伸ばす
この時、足の後ろ側に軽い痛みを感じればストレッチが効果的に行われています。寝て行う場合
1.仰向けに寝る(両足は伸ばす)2.片方の足を上げて、上げた足のももの裏で両手を組み、足を抱える(上げた足の膝は曲げる)
3.上げた足の膝をゆっくり伸ばしていく
このストレッチを10秒1セットで5回繰り返します。このストレッチにより身体の柔軟性がアップし、毎日続ければ柔軟性がさらにアップします。運動としては簡単な動作ですので、毎日継続してみましょう。
腰を後ろにそらさない
腰を後ろにそらす動作は疲労骨折を悪くする動作です。その事に気を付けて、腰にストレスのかからない程度の運動であれば行っても大丈夫です。場合によっては走ることも大丈夫です。例えばサッカーのキックではインサイドキックは行っても大丈夫な運動です。
いかがでしたか。
腰の疲労骨折を最短で治す手順をご紹介しました。子供時代に受けた怪我や病気は大人になってその怪我や病気が原因で歩行状態が悪くなったり、手が不自由になったりと将来的に大きな病気の原因になります。
何十年も先のことは想像しにくいかもしれませんが、中学校のクラブ活動でバスケットボールの選手だった方が、40代になった頃に「膝が痛い」ということもあります。
悪いほうに病気をたどっていくと、腰の疲労骨折から分離症、分離すべり症へと変わっていきます。腰、足の痛みとしびれが出てきますので、そのまま放置しておくと、高齢者になった時に歩くことができない、なんていう事が起こるかもしれません、そうなる前に、早期発見、早期治療、この病気は早め早めの対応が必要です。
まとめ
疲労骨折した腰を最短で治す7つの手順
- 安静にする
- 早めの診察を受ける
- 早期確定診断をしてもらう
- 骨折部以外のトレーニングは積極的に行う
- 最適なコルセットを使用する
- ジャックナイフストレッチを行う
- 腰を後ろにそらさない