体外受精のリスクを検証!自然妊娠と大きく違うところとは


不妊の確率が年々上がってきている現代、不妊治療の一環として、体外受精を選択するカップルも増えてきています。体外受精による妊娠数も年々増え、不妊治療の救いの神としての地位を築きつつありますが、一方ではそのリスクについても不安の声が寄せられています。

自然妊娠とは違い、体外受精には体外受精ならではの危険があります。体外受精で子どもを作ろうとしているカップルのために、体外受精のリスクについて検証してみました。

あまり知られていない体外受精のリスクの中には、胎児の一生に大きな影響をおよぼすものもあるため、心して読んでください。

また、以下に書いたリスクの1例に極端に左右されることなく、「低い確率で起こりうるリスクもあるが、それでも我が子を腕に抱きたい」と希望をもって不妊治療にのぞんでいただきたいと願います。

 

体外受精のリスクを検証!
自然妊娠と大きく違うところとは

 

採卵後の出血

体外受精の際の卵子を取り出す行為を「採卵」と言います。医療機関にもよりますが、3~5個くらいの卵子を取り出すことが多いようです。その際に、細い針のようなもので採卵しますが、周辺部位を傷つけてしまう可能性があります。傷は数日で修復しますが、その間は出血することがあります。

「女性器が傷ついて出血する。」ということは、女性にとてもナーバスな影響をおよぼして落ち込むこともあるかもしれません。しかし処置の際のやむを得ないものとして、出血が止まるのを待ちましょう。

採卵時の麻酔によるリスク

体外受精の採卵時には針を刺すために、麻酔を使用することになります。クリニックによっては無麻酔で行うこともあるようですが、痛みを伴うので麻酔をした方が良いでしょう。局所麻酔か全身麻酔かも、病院によって異なります。

麻酔を使う際のリスクに関しては、麻酔科の医師が事前に説明に来ることになります。その際に、数パーセントの確率で起こりうるリスクに関しての説明も受け、署名をすることでしょう。確率が低いとはいえ、麻酔を受けるときのリスクも考慮しておきましょう。 

排卵誘発剤の使用リスク

体外受精で採卵するときには、卵子を大きく成長させておく必要があります。そのために、事前に排卵誘発剤を打つことになるでしょう。排卵誘発剤とは文字通り、排卵を誘発する薬のことです。この薬は副作用が出る可能性があるのです。副作用も個人差がありますが、卵巣の腫れによる痛みなどが一般的です。

また、骨盤内の血流が滞るなどの報告もあり、血行不良による多臓器の不調に発展することもあります。腹水がたまるなどの重傷になると、入院治療も起こりえます。卵巣過剰刺激症候群と呼ばれ、不妊治療を受ける女性に多い病気です。

双子を妊娠する確率

体外受精では妊娠率を上げるために2~3個の胚を移植することになります。そのため、複数の胚が成長して「双子」や「三つ子」になる確率が、自然妊娠に比べて高いと言えるでしょう。

長く不妊に悩むカップルは、「双子なんてすばらしいじゃないか!」と喜ばれるかもしれませんが、多胎妊娠の危険は単体妊娠に比べて若干高くなります。出産時の母体の負担も大きいため、手放しで喜ばずに覚悟して挑んでほしいと思います。

また、双子の双方が健康に育てば問題がないのですが、どちらか一方が問題を抱えているというケースもあるのです。体外受精のときには、双子妊娠のリスクについてもきちんと医師に説明を受けましょう。

流産の確率がやや高くなる

体外受精での妊娠の場合は、自然妊娠の場合に比べて流産の確率がやや高くなります。体外受精を選択している時点で、妊娠しにくい体質のカップルということが多いため、流産率も上がるため、「体外受精だから」という原因ばかりではありません。

しかしやはり統計でみると流産の確率は高いため、「やっと妊娠できたのに流産してしまった!」と落ち込まずに、「起こりうるリスクの一つ。」として粛々と受け止めてください。

奇形児の生まれる可能性

体外受精を行うと、若干ではありますが、奇形児の生まれる可能性が高くなります。自然妊娠のように体内での受精ではなく、文字通り「体外での受精」になるため、人工的な副作用が増えてくるのは仕方がないでしょう。

奇形だからと産まない選択をするカップルも多いのですが、「やっと授かった我が子」と迎えるカップルも少なくありません。子どもの人生は「親から受ける愛情」に大きく作用されるため、奇形であっても愛情を注ぐ自信があれば、産んでもいいと思われます。そして産んだからには、たっぷりと愛情を注いであげてくださいね。

複数胚移植によるキメラ誕生

体外受精のときには二~三個の胚を移植すると上述しましたが、これが原因で「キメラ」が生まれる可能性があるのです。「キメラ」と言われると、「化け物?!」と慌てる人も多いのですが、2つの胚が合体して一つの生命体になったものを総称して「キメラ」と呼んでいるにすぎないので、必要以上に動揺しないでください。

二つの人格が一つの体に入るなどの複雑な生命の報告がありますが、ごくごくまれの出来事として不要に警戒しないでくださいね。
さて、体外受精のリスクを検証してきましたが、いかがでしたでしょうか。自然妊娠とは違うリスクを覚悟しなければなりませんが、体外受精をしてきた大多数のカップルは、健康な我が子を授かっています。

物事にリスクはつきものです。心にとどめておく程度にして、不安に飲まれないように気を付けてください。前向きに治療を続けていれば、きっといつの日か、可愛い我が子を胸に抱く日がきます!その日までに、更なる医学の発展を望むばかりですね。

 

まとめ

体外受精のリスクを検証!自然妊娠と大きく違うところとは

・採卵後の出血
・採卵時の麻酔によるリスク
・排卵誘発剤の使用リスク
・双子を妊娠する確率
・流産の確率がやや高くなる
・奇形児の生まれる可能性
・複数胚移植によるキメラ誕生


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